「後味の悪い」試合。計量失敗に対する取扱いは今のままでいいのだろうか?
ボクシングや格闘技で、一方の選手が計量失敗(契約体重を超過)したにもかかわらず試合を決行することがよくあります。
この時点で体重のハンデを負うのは、契約体重を守った方の選手。
でも、実際の試合では契約体重を超過した方の選手が勝利することがあります。
結果に対して後味の悪さを感じるのですが、そんな試合が最近2試合あり、「う~ん、どうなんだろうなぁ?」と思っています。
最近多い気がする
ここ10年ぐらい(15年?それ以上?)、ボクシングやMMAで選手の一方が計量失敗することが多くなっているように感じます。
小さな差は200~400gほどの超過なのですが、時々1~2kg、あるいはそれ以上の超過があったりします。
階級なり契約体重があって試合が成立しているはずなので、計量失敗があると、その選手が誰かに関係なくゲンナリします。
むかしは今ほど頻繁には計量失敗はなかったと思うのですが…。
私が大好きだったボクサーのバーナード・ホプキンスは、プロ2戦目から40歳までずっとミドル級で戦ってきましたが、体重超過はなかったはず。
ロイ・ジョーンズJrやオスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザーJr、リカルド・ロペスもなかったと思うし、レナード、ハグラー、ハーンズ、デュランもチャベスも記憶にありません。
もしかしたら大物でない選手には以前から計量失敗事例がたまにあったのかもしれないですが、ニュース記事でちょくちょく頻繁に見るようになったのはごく最近のことのように思います。
結果次第で後味が…
計量失敗があった時に、対戦相手(契約体重を守った方)が試合を受け入れるかどうかは選択できるのでしょうし(大人の事情で受け入れざるを得ないことが多々あるかもしれないけど…)、そこに対してどうこうというのはないのですが、試合を行うことになった場合には契約体重を守った選手の方を応援したくなります。計量失敗した選手が誰であっても。
守った選手が勝てば後味はスッキリするのですが、そうでないこともよくあります(いや、後者の方が多いかもしれない)。
契約体重を守った、つまり契約に何ら違反していない選手の方がハンデを背負って試合することになり、その時点で不利なので仕方ないかもしれません。しかし、計量失敗した選手が勝ち、さらに勝った後にはしゃいでいる姿などを見ると、後味の悪さしか残りません…。
昨日のデヴィン・ヘイニー vs ライアン・ガルシアの試合がまさにそれでした。
ガルシアは約1.6kgの超過にもかかわらず、悪びれる様子は一切なく、むしろ「3ポンド有利になったぜ!」とかSNSに書き込み、計量時にもビール(本人はAppleサイダーだと言っているけど…)を飲み干すパフォーマンスを見せたりと「なんじゃこりゃ?」な感じでした。
こういう時は試合不成立がベストだと個人的には思うのですが、大きな興行なのでそういうわけにもいかなかったのでしょう。1ポンドあたり50万ドルの罰金で試合が成立しました。
試合が組まれた以上は、契約体重を違反した選手が痛い目に遭うことを期待するのですが、結果はそうなりませんでした。
しかも、試合後も謝罪のようなコメントは一切なく普通に喜んでいるのを見ると、後味の悪さしか残りませんでした…。
ルールを見直した方がいいのでは?
計量失敗に関しては、そろそろルールを見直した方がいいんじゃないかなと思っています。
厳しすぎると、今度は減量苦で選手の命に関わるようなことも出てくると思うので(それはよくない)、厳格なルールながらも無理をさせないような取り決めが必要かなと。
いろいろな案があると思いますが、個人的にはこんなのがいいのかなぁと思っています。
~契約体重から1%(または2%)未満のオーバーの場合~
・相手選手の了解が得られれば、試合は成立可能。
・タイトルマッチの場合は従来通り、オーバーした選手は勝ってもタイトル獲得・保持できない。
~契約体重から1%(または2%)以上オーバーの場合~
・試合成立・不成立に関係なく、オーバーした選手の「負け」を確定させる。記録上も「1敗」をつける。
・次の試合以降、その階級で試合できない(階級を上げないといけない)。
以前ブログに別の案を書いていたかもしれませんが、見直しました。
金銭的なペナルティもあってもよいのかもしれないですが、それだといろいろ責任問題が出てくるかもしれず、選手が過度に責任を負ってしまうかもしれないなと思うので、書きませんでした。
不完全かもしれないし、正解でもないかもしれないですが、そろそろ何らかのルール作りは必要なんじゃないかなと思いました。
5月6日の試合でこういう問題が起きないといいなと思っています。
書いた人
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スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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