井上尚弥選手の圧勝を見て気づいた一つのこと
昨日行われた井上尚弥選手の試合(vs マイケル・ダスマリナス)は、井上選手勝利を予想していたものの、試合序盤で、しかもボディブローでKOしたのは予想外でした。
ダスマリナスはIBF世界ランク1位の指名挑戦者。相手を選んだのはなく、逆にIBFから指名される形だったにもかかわらず、あの圧勝。
バンタム級ではベルトを持っている選手しか相手にならないでしょう。
で、そんな試合を見ていて一つだけ井上選手に「おや?」という変化が一つあったことに気づきました。
↑GRANTのグローブ(例)。実際にはこれと別のカラーのグローブで試合をしていました。
グローブ(のメーカー)が変わった
昨日の試合、井上選手はGRANT社製のグローブで試合をしていました。
(前回のジェイソン・モロニー戦までは日本のウイニング社製のグローブでした)
GRANTのグローブは、かつてはロイ・ジョーンズJrやバーナード・ホプキンス、ウラジミール・クリチコ等々のレジェンドボクサーが使用していて、近年でもフロイド・メイウェザーJrが使用するなど世界的に有名です。
おそらくGRANT社も井上選手に目をつけてグローブ使用のオファーをしたのでしょう。
変えたことから思うこと
GRANT社からオファーを受けて変えたのでしょうけど、もう一つ変えた理由があると推測しています。
GRANTのグローブはメキシコ製です。
同じメキシコ製のレイジェス(REYES)と同様、拳(ナックル)部分のアンコが薄めでぎっしり詰まっていないという特徴があります(2007年頃でしたが、私もGRANTのグローブを持っていました)。
薄めな分、パンチによる衝撃が相手に届きやすいというメリットがあります。
おそらくですが、これからバンタム級の統一戦をして、階級を上げて…というキャリアを進めていく中で階級の壁もありうるので、パンチによるダメージをより相手に与えられるようにしたい、という意図があって変えたのかなと思っています。
パッキャオはずっとレイジェスのグローブだし、メイウェザーもウェルター級に階級を上げたあたりから「ウイニング→GRANT」に変えています。
なので、そういうことなのかなと。
で、昨日の試合ではテスト運転じゃないけど、前もってどんな感じか試してみたのかなと思っています。
拳を痛めないかちょっと心配
グローブをメキシコ製にするデメリットと言えば、拳を痛めてしまう可能性がなきにしもあらずということです。
アンコが薄めということは、パンチの衝撃が相手に伝わりやすいというメリットはあるのですが、その分だけ拳が相手の骨とぶつかる衝撃が強いということで、ハードパンチャーは拳を痛めてしまうリスクがあるというデメリットがあります。いわば表と裏の関係です。
ボクシングをやっていた当時、日本のウイニング社製のグローブも持っていたので、違いを感じていました。
井上選手は「超」がつくほどのハードパンチャーだと思うので、拳を痛めてしまわないかという心配がちょっとだけ出てきます。
あくまで試合用(だろう)
ただ、GRANTのグローブはあくまで試合用で、練習では日本のウイニング製を使い続けるのでしょう。
メイウェザーもパッキャオも、試合ではメキシコ製のグローブを使っているけれど、練習ではウイニング製のグローブを使用しています。安全性の高さからなのでしょう。
井上選手のパンチの正確性からすれば、パンチをミスって痛めることはなかなかないと思うし、杞憂であればいいなと思っています。
しかしまぁ、井上選手は強い!
「勝つかどうか」ではなく「何ラウンドで勝つか」という見方で見てしまう稀有な選手です。
まだまだP4Pでも世界のトップに君臨すると思うので、今後の試合も見続けたいです。
書いた人
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スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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