アイアンマン世界選手権2024は期待とは違う展開だったけれどやっぱり素晴らしかった
昨日、アイアンマン世界選手権2024がハワイ島カイルア-コナで行われ、ネットで生中継を観戦しました。
事前に予想していた展開とは違うレースになりましたが、やっぱり素晴らしいレースでした。
38歳ランゲの優勝に感動した
優勝したのは、事前に優勝候補の一人に挙げていたパトリック・ランゲでした。
事前に優勝候補に挙げていた選手が4人いましたが、私の中では「4番手」という予想でした(苦笑)。
優勝候補の一人だったサム・レイドローが、180kmのバイクでコースレコードを出してぶっちぎりのトップでランに移ったので(2位との差は6:08)、この時点では
「あぁ、このままレイドローが逃げ切っちゃうな」
と思っていました。
同じく優勝候補だったクリスティアン・ブルメンフェルト(以下、KB)とランゲが、レイドローから9分弱遅れて7、8位でランをスタートしていたのですが、ラン序盤からKBのペースが上がらず。
バイクまでにかなり消耗してしまっていたようです…。
ランゲがKBに「どうした?頑張ろうぜ。先に行くぞ」みたいに声をかけて抜いて行き、そこからランゲがハイペースで走り出しました。
タイム差があったので、どうかなぁと思っていたのですが、ランゲが調子よく走りつづけ、反対にレイドローはちょっと重たい足取り。
ランゲはどんどん順位を上げていき、5km過ぎには2位に浮上!
そして18km手前あたりでレイドローは歩き出すなどしてスローダウン!
すぐにランゲが追いつき、抜き去りました。
ランゲはこの時もレイドローに「大丈夫か?俺は先に行くぞ」みたいに声をかけていて、紳士的でカッコいいなぁなんて思いながら見ていました。
推測ですが、レイドローはバイクで飛ばした分、ラン前半でガス欠を起こしたように見えました。
足取りが重たそうでカラダが自由に動かせていないように見えたし、給水でコーラのペットボトルをラッパ飲みして糖分補給していました。
ランゲはこの後もずっとほぼ安定したペースで力強く走りつづけ、最終的に2位に7:46の差をつけて優勝。
最後のラン(スイム3.8km、バイク180kmの後のフルマラソン)は2:37:34という速さでした。
真昼間のハワイで…(汗)。
トータルタイムでも7:35:53のコースレコードでした。
2017年にランゲが初優勝した時のタイムは、当時のコースレコードで8:01:40。
2018年の2度目の優勝時のタイムは、当時のコースレコードを更新して7:52:39。
この2018年大会で初めて「8時間切り」が実現したのですが、6~7年でここまで記録が更新されるとは…(汗)。
ランゲ自身も当時から確実に歳をとって、すでに大ベテランの領域だというのに進化していて驚異的でした。
特にランゲは、2~3年前の世界選手権で、2度の優勝時をはるかに上回るタイムでフィニッシュしたにもかかわらずかろうじて10位だったことがあり、その時に
「自分が進化して過去の優勝時よりもタイムが上がっているのに、やっとトップ10なのか…」
と、もう限界かもしれない、みたいなコメントをしたのを見ていたので、今回のランゲの更なる進化と優勝には感動しました。
私の周りに共感してくれる人が誰もいませんけど(苦笑)。
バイクやシューズなどのアイテムの進化も要因の一つだとは思うのですが、あの暑いハワイ島で8時間前後全力で競争し続けるとなると、選手の体力とメンタルのコンディションが90%以上を占めるのではないかと。
そう思うと、やっぱりこの競技のチャンピオンには尊敬しかないと思いました。
フィニッシュしたことが素晴らしかった
優勝候補に挙げていた一人、グスタフ・イデンは残念ながらバイクの時にリタイアしたようですが、上に書いたレイドローとKBは、2人とも優勝できないことが分かり、体力的にも限界に近い状態だったにもかかわらず、最後まで走りつづけてフィニッシュしていました。
(レイドローは8:02:01で18位、KBは8:29:58で35位)
最後のマラソンは、2人とも3時間オーバーのタイムで、記録として「ヒドいタイム」だったと思います。
それでも2人ともしっかりフィニッシュしていたことは素晴らしかったし、レイドローはフィニッシュ直後に倒れ込んでいたので、ほぼ気力だけで走っていたのではないかと。
そんな姿にも感動しました。
やっぱりアイアンマン世界選手権は、毎回見るたびに刺激を受けます。
レースを見た直後に30kmジョグを敢行したのですが、けっこう頑張れました(笑)。
ちばアクアラインマラソン、そして来年の東京マラソンに向けて、いっそう頑張っていこうと気合いが入りました。