東京マラソン2024出走記②「30kmのカベ」はぶち破ったのだが…
(①のつづき)
脚の痛みなく快調に走れた!
スタート前は脚に不安があり、「途中で痛くなったらヤだなぁ…」という緊張があったのですが、1km過ぎから設定ペース(4:50/km前後)で走っても痛みなく走れました。
「おお!いけるじゃん!行ったるぜ!」
と思ったのは言うまでもありません。
左手首のCOROS PACE3をチラチラ見ながら自分でペースを確認しなければならないですが、すごく久しぶりに痛みのない状態で速いペースで走ることができたので、気分は上々でした。
「サブ3.5行けるぞ!」と。
スタートから15kmあたりのところで、応援に来てくれた妻と息子とも会って力をもらい(娘は学校の試験前日のため来ず)、設定ペースをそのまま維持して走れました。
(ここら辺で「神」の雄姿を拝見したのですが、そのことはまた後日)
中間点通過時点でのタイムは、1時間43分ほど。
約2分の「貯金」を作ることができ、ますます「いけるかも!」という気分になってきました。
ペーサー発見!
中間点を過ぎて門前仲町方面に走っている時だったと思いますが、自分とほぼ同じペースで並走しているランナーを見つけました。
外国人ランナーだと思いますが、HOKAのウェアを着用していて、シューズもHOKAの「ROCKET X2」。
私もHOKAの「CIELO X1」を履いていたので「おお!ナカ~マ!」と思ったのと同時に、いい感じのペースで走っていてペースダウンする気配もなかったので、
「この人について行こう!」
となりました。
見ず知らずの人をペーサー扱いする作戦です(笑)。
その人の背後2mぐらいのところにくっついて走っていると、自分のリアルタイムのペースをいちいち確認しなくても順調なペースで走ることができ、快調に距離を進めることができました。
30kmあたりで再び妻と会った時も4:53~55/kmペースで通過でき、「30kmのカベ」もぶち破った気分になれました。
余談ですが、この30kmあたりで娘のお友達のパパ友・ママ友さんも応援に来てくれていて力をもらいました。
ここでヘロヘロになっていなくてよかったです(笑)。
ずっとその「ペーサー」にくっついて走りつづけ、35km地点で3分近い「貯金」になりました。
「あと7km」
このタイミングで、初めてカウントダウンモードになりました。
(が、結果的にこれがいけなかったのかもしれない…)
「あと7km」が…
例の「ペーサー」はいい調子で走りつづけていて「このままついて行ければ」と思っていたのですが、「あと7km」と思い始めた途端に、その「ペーサー」が徐々に遠ざかっているように感じました。
「あれっ?…ヤバい!」
と思い、追いかけようとしたのですが、脚が思うように進まず。
ますますヤバくなりました。
その「ペーサー」はどんどん前に行ってしまい、とうとう見失いました。ここで、
「しゃあない。残り7kmだから、あとは普段の平日朝ランと同じ距離だと思ってセーフティモードで行けばいい」
と切り替えました。
が、35~36kmのラップタイムは5:25。
セーフティモードどころか、それを通り越して失速モードのペースになっていました。
このままじゃあかんと必死にペースアップを試みたのですが、以降は5:30/kmを切ることもできなくなっていました。
田町の近くに来た37km以降は、意識も半分飛んでいたような。
「このままじゃヤバい!」と分かっていてもペースが上げられず、冷静に周りを見る余裕もなくなっていました。
どうにかフィニッシュ。タイムは…
銀座まで戻ってラスト1kmとなり、丸の内仲通りへ。
もうすぐフィニッシュだし、ここはブランドショップやカフェなどが立ち並んでいて観客も多いし、気分よく走りたい場所なのですが、私はグロッキー状態でした。
「ココに知り合いがいなくてよかった~」と後になって思うくらいヤバい状態でした(苦笑)。
しんどさMAXだ!
早くラクになりたい!
ラクになりたいなら、さっさとフィニッシュしろ!
と脳内で問答しながら走っていました(苦笑)。
もうペースがどうなっているか確認することもできません。
で、どうにかこうにかフィニッシュ。
ノールックでCOROS PACE3の計測をストップして、しばし呆然としていました。
数分間だと思いますが、何もできずただ立っていました。
レフェリーにTKO負け宣告される寸前のボクサーみたいに、立ち上がってもファイティングポーズがとれないみたいな、そんな状態。
数分でようやく目が覚めて(?)、タイムを見ました。
3:34:10
サブ3.5どころか、自己ベスト更新もできず。
冷静に考えると、最後の約7kmで3分間の「貯金」を全部使い果たし、さらにマイナスにしていました(泣)。
悔しさがドッと出てきました。
今回は100%以上の力を出し切ったと思っています。
その証拠に、これを書いている3月5日(レース2日後)現在も内臓疲労が残っていて食欲不振だし、お腹の調子も悪いです。
「30kmのカベ」はぶち破れたけれど、「35kmのカベ」にはじき返された。
そんな気分でした。
そんなわけで、「40代最後の東京マラソン」は悔しい結果に終わりました。
可能なら来年に「50代最初の東京マラソン」を迎えてリベンジしたいです。
(まだつづく)