こういう「衝撃」は受けたくなかった…もう「もしも…」でしか語れないとは
昨日は「さいたまマラソン2024」に参加しました。
右足の捻挫が十分回復しない中で、どうにか4時間以内にフィニッシュできたのですが、その後ひと息ついてスマホでSNSを見たら衝撃を受けました。
マラソン直後にマラソン界の損失のニュース
ケルヴィン・キプトゥムが自動車事故でコーチと共に亡くなった、とのニュースの投稿でした。
言わずと知れたマラソン現世界記録保持者(タイムは2:00:35)。
まだ24歳で、マラソン3戦全勝の勝率10割。
しかも、すべて2時間2分切りのコースレコード。
つい先日SNSで、4月のロッテルダムマラソンで2時間切りを狙っているとのコメントの投稿を見たばかりでした。
思わず、さいたまマラソン会場のさいたまスーパーアリーナのとある場所で
「ええええっっ!?」
と一人で大きな声を出してしまいました。
そのぐらい驚きで衝撃でした。
ニュースはすでにあちこちで報道されていますが、キプトゥムが運転していた自動車が単独で事故を起こしたようです。
現地のニュース映像をYouTubeで見たのですが、自動車の破損状況がひどく、スピードが相当出ていたのかなと思いました。
本当にショック。
マラソン界の…いや、スポーツ界にとって大きな損失です。
いろんな可能性があった
キプトゥムのマラソン3戦は、偶然にも(?)すべてリアルタイムで中継を見ていました。
2022年のバレンシアマラソン、2023年のロンドンマラソンとシカゴマラソン。
30km過ぎからの単独ロングスパートがものすごく速く、しかも終盤になればなるほどペースが上がるという驚異的な爆発力でした。実際、どのレースでも後続を大きく引き離してのぶっちぎりの優勝でした。
直近のシカゴマラソンで2:00:35の世界新記録を出したのを見て、あと2~3年で公認2時間切りをやるかもしれない…という強い可能性を感じました。
24歳という年齢を考えると、キプチョゲ引退後は10年ぐらいマラソン界の頂点に君臨する可能性がある…と思っていました。
すでにロンドン、シカゴと制覇しているので、史上初のWMM(ワールドマラソンメジャーズ)6大会完全制覇はキプトゥムがやるかもしれない…と思っていました。
さらに、今年のパリオリンピックでエリウド・キプチョゲのマラソン3連覇を阻止するのはキプトゥムかもしれない…と思っていました。
そんないろいろな可能性を感じる選手だっただけに、訃報のニュースを見て、自分のマラソン後の疲労と同じくらいの脱力感が出ました。
マラソン界は「What if…」が多くなる
ショックを受けたのと同時に思ったのは、
「これからは、マラソン界では“もしもキプトゥムが生きていたら…”みたいに語られることが多くなるな」
ということです。
史上5人目の2時間1分台で優勝するランナーが現れたり、史上2人目の2時間1分切りのランナーが現れても、
「もしもキプトゥムがいたら、どうだったかな?(それでも勝てたかな?)」
みたいに語られるのかなぁと。
パリオリンピックでも、キプチョゲが3連覇を実現したとしても
「もしもキプトゥムがいたら、どうだったかな?(それでも勝てたかな?)」
と語られるのかなぁと。
将来、人類初の公認2時間切りのランナーが現れても
「もしもキプトゥムが生きていたら、もっと早く達成していたんじゃないだろうか?」
みたいに語られるのかなぁと。
そんなふうになるのはとても残念だし、何より悲しいです。
キプトゥムのこれからの偉業を見たかったです。
今回は自分のマラソンのことより、キプトゥムのことを書かずにはいられなくなりました。
本当に残念です。
4月のロッテルダムマラソンで、キプトゥムの走りを見たかったです。
余談ですが、国内メディアで「キプタム」と表記しているところもちらほら見られますが、ケニアのニュースなどではみんな一様に「キプトゥム」と発音しています。
「キプタム」というのは英語読みでしょうか?素朴な疑問でした。