記録は破られるためにあるのだと改めて思ったベルリンマラソン2023
先日書いた通り、昨日はベルリンマラソン2023のライブ配信を見ました。
噂されていた(?)ジェイコブ・キプリモのペースメーカーとしての出走はなかったものの、今回は先頭集団のペースメーカーが30km過ぎまでいいペースで引っ張っていたのでよかったと思いました。
(キプリモが引っ張っていたら、もしかしたらもっと速いペースでいけたかもしれないですね)
男子の方は既報のとおりGOATエリウド・キプチョゲが2:02:41で優勝。
世界記録更新ならず…ということで残念な感じがするのですが、38歳になっても2時間2分台を当たり前のように出すのですからやっぱり驚異だし、さすがGOATだと思いました。
ただ、今回のベルリンマラソンの主役は女子で優勝したティギスト・アセファ(Tigist(※) Assefa、エチオピア)でしょう。
(※)ティグスト(Tigst)と書かれている場合もあり、どちらが正しいか現在不明…。
優勝タイムは驚きの2:11:53。世界記録を2分超更新しました。
2時間14分の壁どころか、2時間13分、さらには12分の壁も一気に越えてしまいました(汗)。
独走だったが目が離せなかった
男子も女子も、ほぼ独走状態でした。
勝負はほぼ決まっていたけれど、注目は優勝タイム。
ベルリンは男女ともに記録更新の可能性があるので、男女のトップが中継で映るたびに「ペースはどうなんだ?いい調子か?」なんて思いながら見ていました。
「誰が優勝するか?」という点では30km以降は見どころがなかったですが(笑)、「世界記録を更新するのか?」というのがあったので、最後まで目が離せませんでした。
キプチョゲは調子悪かった?
見ていてふと気づいたのは、キプチョゲのコンディション。
いつものようにきれいなフォームで快調に走っているように見えたのですが、鼻水が出っぱなしのように見えました。
花粉症のようなアレルギー症状が出たのかな? と感じました。
私も花粉症持ちで、春先のレースは鼻水がヤバいのですが(苦笑)、走っている間はアドレナリンが出ているせいか平気だったりします。
(その代わり、終わった後に蛇口をひねったかのように鼻水が止まらなくなる…)
ただ、昨日のキプチョゲは一見すればいつもと同じなのですが、鼻水が出ていたようなので呼吸とか少しつらかったのではないかと。呼吸が平気でも、鼻水が出るだけでストレスだったかと。
そんなわけで昨日キプチョゲが終盤にペースを落としてしまって2時間2分台のフィニッシュになったのは仕方ないのかも、と思いました。
いや、調子が悪くて2時間2分台って、とんでもないのですけどね(笑)。
驚異の2時間11分台
一方、女子の方は30kmあたりで
「こりゃ2時間14分切るかもしれんぞ!」
と思いました。
30km通過時点で、ティギスト・アセファは世界記録より1分ちょっと速いペース。
ペースを少し落としても世界記録は更新できるんじゃないかな、という感じで見ていました。
ところが! でした。
世界記録との差が広がる一方(もちろん速い方に)…。
レース前半をなかなかのハイペースで走っていたにもかかわらず、30km以降はさらにペースアップしていました。
40kmを通過したあたりでは
「こりゃ2時間13分切るなぁ。スゲーな。2時間12分台じゃん!」
と思っていたのですが…。
最後の直線でブランデンブルク門をくぐった後は「ギアがもう1段あったの!?」と思うぐらいのラストスパート。
2時間12分を切っちゃいました(汗)。
終わってみれば、前半のハーフは1:06:21、後半のハーフは1:05:32。
いわゆるネガティブスプリット。
すごい走りでした。
女子のサブ10が現実的になってきた
昨日のティギスト・アセファには驚きでした。
2003年ロンドンマラソンでポーラ・ラドクリフが2:15:25を出した当時もとんでもないタイムで、
「この記録は20~30年ぐらいは破られないだろうな」
なんて思っていたのですが、20年後の今、世界歴代5位になってしまいました(汗)。
どんな記録もそうですが、破られるためにあるんだな、破られる宿命なんだな、と改めて思いました。
そう考えると、男子マラソンの世界記録も2時間1分、さらには2時間の壁を超えるときが来るのでしょうし、女子マラソンでもサブ10(2時間10分切り)をする選手が出てくるのでしょう。
マラソンは走るのも見るのもやめられないっす。