「サッカーを愛する」一人として書かずにはいられない…35年経った今も最高のサッカーのアナウンサー
昨日、金子勝彦さんが亡くなられたとのニュースを見ました。
金子勝彦さんといえば、『三菱ダイヤモンドサッカー』。
『三菱ダイヤモンドサッカー』といえば、金子勝彦さん(と岡野俊一郎さん)。
私のサッカー少年時代の思い出の中に残る御方でした。
『三菱ダイヤモンドサッカー』が唯一だった
私がサッカーを始めた当初(1980年代中頃)、海外のサッカーを見る手段といえば『三菱ダイヤモンドサッカー』が唯一といっていいものでした。
当時はインターネットがなかったし、サッカーのビデオ(DVDではなく、ビデオテープ!)もほとんど流通していませんでした。
なので、『三菱ダイヤモンドサッカー』をビデオに録画しては何度も繰り返し見ていました。
日本代表の試合や天皇杯などの国内サッカーは他の番組でも見られたと思いますが、海外の選手がプレーするところを見られるのはほぼココだけ(他はトヨタカップぐらいしかなかった)。
私がディエゴ・マラドーナやミシェル・プラティニ、ジーコ、ルート・フリットなどを初めて見たのも『三菱ダイヤモンドサッカー』でした。
その『三菱ダイヤモンドサッカー』でずっと実況をされていたのが金子勝彦さんでした。
「サッカーを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか」
が毎度お馴染みの第一声。
岡野俊一郎さんとの実況は、いつ聞いても心地よいものでした。
オーバーなリアクションもなく、かといって淡々とすることもなく。
岡野俊一郎さんから技術的・戦術的な解説や選手の特徴などの解説を上手く引き出したり、試合が行われている場所やチームの地理的情報なども交えた実況は、お馴染みだけどマンネリしない、大好きな実況でした。
海外の地理(外国の首都や主要都市、主な生産物、文化など)についても、『三菱ダイヤモンドサッカー』から学んだことが多かったです。
それだけに、今でも金子さんと岡野さんによる実況がサッカーでは一番好きです。
(最近の実況はオーバーで耳障りなことが多くて、音をミュートにすることが多いっす…苦笑)
当時見たシーンがよみがえった
金子さんの訃報を知って『三菱ダイヤモンドサッカー』を見ていたことを思い出した時に、当時見たいくつかのシーンが、ふと記憶からよみがえりました。
ユベントスのプラティニが85年欧州チャンピオンズカップ決勝で、決勝ゴールとなるPKを決めたシーン
86年欧州チャンピオンズカップ決勝のPK戦で、ステアウアのGKヘルムート・ドゥカダムがバルサのPK4本をすべてストップしたシーン
ナポリのマラドーナが86-87シーズンのユベントスとの天王山で躍動していたシーン
フリットがミラン移籍1年目にナポリDF陣を圧倒したシーン
ハラルト・シューマッハーやジャンマリー・プファフ、フランシスコ・ブーヨ、レイ・クレメンスのスーパーセーブ
少年時代に見たそんなシーンがよみがえったので、連鎖的に当時のこともしみじみ思い出しました。
金子さんは88歳だったとのこと。
『三菱ダイヤモンドサッカー』が放送終了したのが、今から35年前の1988年。
「あぁ、もうそんなに経っていたんだなぁ」
と思うのと同時に、
「また金子さんと岡野さんの実況が聞きたいなぁ」
と思いました。
金子勝彦さん、ありがとうございました。
私にとって「サッカーアナウンサー界のGOAT」です。