これは楽しみ!ケルヴィン・キプトゥムが世界陸上ブダペスト大会への出場を辞退したらしい
マラソン最初の2レースで両方とも2時間1分台をたたき出したケルヴィン・キプトゥム(ケニア)が、8月の世界陸上ブダペスト大会への参加を辞退したそうです。
世界陸上には参加しないですが、逆に楽しみになってきました。
驚異の23歳
キプトゥムは去年マラソン界に彗星のごとく現れた選手です。
2022年12月の初マラソンとなるバレンシアマラソンで、いきなり2:01:53で優勝しました。
初マラソンで2時間1分台。世界歴代3位です(汗)。
そして、つい2か月ほど前のロンドンマラソン2023で、2:01:25で優勝。当然コースレコード。
2戦連続で2時間1分台。世界歴代2位(さらに汗)。
そしてさらに驚きなのが、まだ23歳なことです。
マラソン2時間1分台の他の2人、エリウド・キプチョゲとケネニサ・ベケレはそれぞれ38歳と41歳。
2人ともトラックレースからキャリアを始めて、30歳あたりからマラソンに転向して少しずつ記録を伸ばしていったのですが、キプトゥムはハーフマラソンを8戦ほど経てからの最初のマラソン2レースで2時間1分台なのです(汗)。
驚異でしかありません。
なぜ楽しみなのか?
直近のロンドンマラソンで圧倒的な力を見せたので、当然世界陸上の代表に選ばれていました。
じゃあ、なぜ辞退したのに「楽しみ」なのかというと…、
9月のベルリンマラソンで世界記録に挑戦するらしいからです。
8月、9月と連続してマラソンで勝負することは、川内優輝選手のような鉄人じゃないと出来ません。
オリンピックや世界陸上のある年は、必然的に「どちらか」を選んで走ることになります。
で、今回キプトゥムが選んだのはベルリンということです。
「ブダペストで世界記録に挑戦すれば…」という考えもあるかもしれませんが、これは極めて困難…いや、まったくの未知数かと。
というのも、8月の暑い時期だし、コースがどんな感じなのかも分からないので、好タイムが出せそうかどうか分かりません…。
世界記録に挑戦するなら、ベルリンのように天候が安定していてコースがフラットで…といった好タイムを出す条件が見事に揃ったところの方が圧倒的によいでしょう。実際、過去に何度もベルリンで更新されていますし。
なので、キプトゥムは「世界陸上金メダル」ではなく、「世界記録更新」や「人類初の2時間1分切り」を目指すことにしたのだと思っています。
で、それが出来ちゃうんじゃないかと思わせてくれるから楽しみなのです。
いずれGOATになるのかもしれない
マラソン界のGOATは、今のところはキプチョゲだと思っています。
世界記録保持者だし、これまでのマラソンでの勝率もすごい。
そして、優勝が不可能な状況になってもリタイアせずに完走するし、あの悟りを開いたような穏やかさと神々しい走りっぷりに惹かれてしまっているので(笑)。
ただキプトゥムは、知る限りでは、キプチョゲを超える可能性を持っている唯一のランナーかなとも思っています。
ということで、世界陸上のマラソンは普通にボーッと見て、その後のベルリンマラソンに注目しようと思います。
キプチョゲの次のレースは11月のNYCマラソンかな?
ワールドマラソンメジャーズ5個目の制覇を狙うのかなと。
これはこれで楽しみです。