やっぱり熱いライト級。無敗対決は予想以上に面白かった
週末はロンドンマラソンの前にボクシングの試合を見ました。
先日書いた、ジャーボンテイ・デービス vs ライアン・ガルシアの一戦です。
無敗同士、しかもKO率の高い者同士の対戦だけに、どんな試合になるのか楽しみにしていましたが、期待通り…いや、期待を上回る面白さでした。
”タンク”・デービスが1枚上手だった
結果は、既報のとおり7R KOでデービスの勝利でした。
試合全体を通して、デービスが一枚上手だったように感じました。
ガルシアも再三プレッシャーをかけたり、当たれば倒れそうな鋭いパンチを繰り出していましたが、早い段階でデービスは見切ったというか、致命的なパンチはもらわないという自信を持ったのでしょう。上手くかわしたり距離をとったりしていました。
フィニッシュとなった離れ際の左ボディブローは初めはしっかり分かっておらず、ガルシアが数秒してからダウンした時に
「えっ!? どうした!? 何があったんだ!?」
と思いました(苦笑)。
その後のスローVTRで理解しましたが、素早くて強烈でタイミングばっちりな一撃でした。
あの一撃はタイミングが完璧だったと思いました。
その前に何度かクリンチして離れて…というのをやっていたのでガルシアはクリンチの時に一瞬だけ気を抜いたのかなと。
いや、顔面への攻撃には警戒していたけれど、腹部には力をグッと入れずに一呼吸していたのかなと。
で、その一呼吸ついた離れ際にデービスが強烈な一撃を入れたので、ガルシアのレバーか肋骨に効いたのではないかと思いました。
気を抜いている、あるいはボディに意識が向いていない時にもらうボディブローはとても効くことを経験済みなので(苦笑)、
「ガルシアは相当効いたんだろうなぁ…」
と思いました。
フィニッシュだけ見ると、ドラクエ風に言えば「どくばり一刺し」みたいな感じでしたが、あの一刺しまでにいろいろ伏線を張っていたのだろうと思うと、デービスの試合巧者ぶりもすごいなと感じました。
2ラウンドのダウンシーンが衝撃だった
一番「おおっ!」と興奮したのは、第2ラウンドでデービスが奪ったダウンシーンでした。
序盤でダウンを奪ったというのもそうですが、あの左フックは身体が反射的に動いているように見えて、その鋭さに驚きでした。
内山高志さんがYouTubeで解説していましたが、ガルシアの左フックをダッキング(下に潜るようによける)した直後は、よけた時の体勢から考えても、空いたガルシアの左アゴを狙って右のパンチを出すのが通常考えられる攻撃だと。
でも、デービスが出したのは左でした。
技術的にも難しいとのことでしたが、たしかに体勢からして難しそう。自分で真似して動いてみても難しそうだというのが分かります。
だから、ガルシアもデービスの右が来ることはある程度想定していたと思うけれど、あの状況から左が飛んで来るとは思わなかったのではないかと。
「なるほどなぁ」と学びになる解説でした。
ガルシアのアゴにクリーンヒットしなかったのでKOにはならなかったけれど、当たり所がちょっと違っていれば、あの一撃で終わっていたかもしれないなと思いました。
どこまで計算しているのか分からない…
デービスは、時折見せる鋭い攻撃が動物的なところが好きです。
本能で動いているというか、カラダが勝手に反応しているような、そんなところが魅力です。
ただ今回の試合では、試合のコントロールも抜群に上手いなと感じました。
1ラウンドからちょいちょいガルシアにクリンチのような形で組みついていましたが、あれがガルシアに左フックを出させるための伏線だったのかと思うと……(汗)。
フィニッシュのボディブローの前にも組みつくような状態を繰り返していましたが、あれもガルシアに気を抜かせるための伏線だったのかと思うと……(汗)。
事後的な勝手な推測なので真相は分からないですが(苦笑)、両方とも私の推測通り狙っていたとするならば、思っている以上にすごいボクサーかもしれないです。
KO率の高さや倒してきた相手を見ても、PFPランキングでトップ5に入るべき選手だと思います。
近い将来、ヘイニーかロマチェンコとの対戦が見たいです。
シャクール・スティーブンソンやカンボソスJr.、テオフィモとの試合でも面白そう。
でも一番見たいのはロマチェンコかなぁ。
ライト級、やっぱり熱いです。
そしてボクシングはやっぱり面白い!