日本 vs ドイツは「ドーハの奇跡」?いやいや違う。ドイツの敗因を考えてみた
ワールドカップ2022カタール大会の日本代表初戦、日本 vs ドイツを夕べTV観戦しました。
日本がドイツを2-1で破りました。
私は試合前、「日本 1-4 ドイツ」という予想でした。
見事に覆されたし、日本代表にはあっぱれと言うほかないですが、決して「ドーハの奇跡」のような「奇跡」ではないと思っています。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
という野村克也さんの言葉があるように、日本の勝因よりもドイツの側に敗因があったと思っています。
そこで、ドイツの敗因について、ドイツの側に立って考えてみました。
ドイツの敗因①DF陣のスプリント力
ドイツのDFラインは長身で当たり負けしない屈強な選手が揃っていて、それはそれでセットプレーやラインディフェンスでは有効に機能していたと思いましたが、日本の「ボールを奪ったらすぐ速攻」に十分に対応できていなかったなと思いました。
前半オフサイドでノーゴールになった場面も、「ドイツがオフサイドを仕掛けた」というよりも「前田選手の足が速くて前に出すぎちゃった」という感じだったし。
唯一アントニオ・リュディガーは走り負けしない速さも持っていたけれど、他のDF陣はスプリント力に難があったようです。実際、日本の2点目はニコ・シュロッターベックが浅野選手に完全に振り切られていましたし。
(リュディガーがいなければ、日本はもう1点は取れたでしょう)
デカくて強いのは間違いないし、日本が速攻をしてくることは試合前に想定していたはずなのに対応が不十分だったと感じました。
舐めていたのかもしれませんが。
ドイツの敗因②ストライカーがいない
試合ではほとんどの時間帯でドイツがボールをコンロトールしていて、ポゼッション(ボール支配率)は「ドイツ 69% – 31% 日本」だったそうです。
いろんな試合を見れば分かると思いますが、このポゼッションの数字は圧倒的です。
また、シュート数もドイツの方が多かったし、決定的な場面でゴールポストに嫌われたり、GK権田選手の好セーブがあったり、DF陣が身体を張って阻止した場面もあり、ドイツはよく攻撃していたのだと思います。
ただ、前回大会(グループリーグ敗退した)もそうでしたが、相手に脅威となるストライカーがいないですね。今のドイツには。
1トップに配置されたカイ・ハフェルツ(ハヴァーツ?)は生粋の「ストライカー」ではないし、トーマス・ミュラーも最前線でボールをもらって得点を取る「ストライカー」という感じではない。
前回のティモ・ヴェルナーやマリオ・ゴメスもイマイチでした。
考えてみれば、この10年でブンデスリーガの得点王となった選手は、ポーランドのロベルト・レヴァンドフスキが7回、ガボンのピエール=エメリク・オーバメヤンが1回と、8回が外国人選手です。
残る2回はドイツ人選手でしたが、すでに引退しています。
いないんです。脅威となるストライカーが。
GKもDFもMFも人材が豊富にいますけど、FW、特にストライカーが出てきていません。
2014年までは
ミロスラフ・クローゼ
ルーカス・ポドルスキ
オリバー・ビアホフ
ユルゲン・クリンスマン
ルディ・フェラー
カール=ハインツ・ルムメニゲ
等々、代々世界的な「ストライカー」がいたように思いますけど、今いないよなぁと。
バイエルンも長いことストライカーはほとんど外国人頼みだし(レヴァンドフスキ、マンジュキッチ、ロッベン、トーニ、マカーイ、エウベル…)
ストライカーの育成が今後のドイツの課題ではないかと思います。
今回の日本は手放しに称賛
反対にドイツ戦での日本代表は手放しに称賛できるパフォーマンスでした。
前半はややラインが引き気味で腰が引けているように見えたけれど、要所要所ではギュッと引き締めて守っていたし、「ボールを奪ったらすぐ攻撃(速攻)」を終始遂行していたし。
選手交代もドンピシャだったし、申し分ない戦いだったと思いました。
次はコスタリカ戦。
「勝てるっしょ」という余裕は持たず、また全力で勝ちに行ってほしいです。
後がなくなったドイツはスペイン戦で全力勝負にいくでしょう。
その結果次第で、スペインは3戦目(vs 日本)が正念場になるかと。
「勝ち点6」のアドバンテージを持ってスペイン戦に臨むが理想です。
もちろんスペイン戦も全力で勝ちに行ってほしいです。