「そろそろATについて考え直してもいいのかも?」ワールドカップ2022観戦1試合目で思ったこと
夕べ、ワールドカップ2022の2日目の試合、イングランド vs イランを見ました。
本当の開幕戦(カタール vs エクアドル)はあまり興味がなかったので、見ないで寝ました(苦笑)。
なので、夕べが私にとっての「ワールドカップ開幕」でした。
で、「おお!」と驚いたのは試合内容や結果ではなく、前半のアディショナルタイム。
14分ありました。
長くても5~6分、せいぜい8~9分だったが
アディショナルタイム(以下、AT)とは、以前は「ロスタイム」と言われていましたが、試合中にアクシデントやトラブルなどで試合が一時的に中断することがあった場合に、その埋め合わせとして設けられる(文字通り)追加時間です。
サッカーでは、キックオフの笛が鳴った瞬間から時間を止めることがほぼないので、中断時間が長い場合はその分正味のプレー時間が短くなってしまいます。そのための埋め合わせとしてのATなのです。
ATは、かつては主審の判断(さじ加減)で決定されていました。
なので、ATがどのくらいになるのかは主審以外の誰も分からないブラックボックス状態でした。
それが1998年からは、前後半それぞれの45分を経過したタイミングで、分単位で予備審判が表示するようになり、主審もそれにしたがったタイミングで終了の笛を鳴らすようになりました。
透明性、公正性の確保のためと言えます。
で、それ以降あちこちのサッカーの試合を見ていますが(国内の試合はあんま見ていないが…)、ATは長めにとられた試合でも5~6分ぐらい、多い時でも8~9分ぐらいだったと記憶しています。
私が見ていないだけかもしれないですが、10分以上とられた試合は見たことがなかったです。
厳密になったらしい
それが昨日のイングランド vs イランの前半でいきなり14分とられました。
後半も10分でした。
「長すぎないか?」
と思ったのですが、どうもFIFAの方針でプレー時間をより厳密に確保するようになったようです。
アクシデントやトラブル、プチ乱闘によって中断した時間はもちろんのこと、VARによる判定時間や選手交代時の中断時間、ゴール後のパフォーマンス時間などもカウントしたうえで設定するようになったようです。
「なるほど。それなら長くなるわな」
と一瞬納得したのですが、考えてみるとそれでもブラックボックスだなと思いました。
というのも、ピッチにいる主審も選手も、ベンチにいる監督・コーチ陣も、さらには観客も、どのぐらい中断時間があったか測れないし、どのぐらいが適正なATなのか知る由もないからです。
カウントダウン方式を導入したらどうか?
プレー時間をきっちり確保して、かつ、透明化・公平化も高めるのならば、NBAやNHL、NFLで行われているような「カウントダウン方式」にすればいいんじゃないかな、と思いました。
「0分」から試合開始ではなくて、「45分」から前後半を開始して「0分0秒」になったら終了。
反則などがあり、主審が笛を吹いたら時間を止める。
プレーが再開されたら時間を再び動かす。
そんな感じ。
これならスタジアムの電光掲示板にデジタル表示され、誰もが試合の残り時間を確認できます。ATという概念も不要になります。
もちろんデメリットもあります。
考えられるのは、時間稼ぎ。
試合終了までの残り時間が表示されるので、そのまま終わらせたいチームはちんたらパス回しを始めて時間稼ぎをするでしょう。それによってつまらない時間帯ができそうだし、終了間際にラフプレーや乱闘騒ぎが発生しやすくなるかもしれません。
もう一つ考えられるのは、時間が長くなることです。
ATの場合は実際の中断時間が15~20分あったとしてもATは5~10分程度に抑えられていたでしょうし、今大会からのATも、さすがに20分や30分になることは考えにくいかと。
でも、「カウントダウン方式」になったら、プレーが止まった時間だけ試合時間も止まるので、30分間中断すれば試合の時間も30分間止まります。
結果的に試合全体の時間が従来よりはるかに長くなるんじゃないかと思うのです。
観客にとってはしんどいし、TVの放映時間も延長発生が不可避でしょう。
メリット・デメリットがAT方式・カウントダウン方式両方にあるので、今後FIFAがどうしていくかは分かりませんが(どうもしないかもしれません)、ATの長短にギョッとしない施策としてカウントダウン方式も検討の余地があるんじゃないかなぁと思った次第です。
とはいえ、まだワールドカップは始まったばかり。
しばらく様子を見ようと思います。
【余談】
ブラジルの試合、ネイマールが痛がれば(そういう演技をすれば)その分ATも増えるのでしょう。
そこにも注目かも(笑)。