個人レースのマラソンにもチームプレーが垣間見えるようになっている
開催中の世界陸上を楽しくTV観戦している今日この頃。
男女のマラソンを見て思ったのは、
「今やチームで走っているな。個人で太刀打ちするのは厳しそうだな」
ということでした。
オリンピックと世界陸上だけ別物
マラソンは基本的に個人勝負の種目です。言うまでもありません。
ただ、オリンピックと世界陸上に関しては、選手たちは国を代表していることもあるのだと思いますが、ちょっと違う印象があります。
ケニア、エチオピア勢が特にそうなのですが、常に複数人で先頭集団前方につき、レースの主導権を握りにいきます。
きつめのカーブがあるコーナーでは仲間(同じ国)の選手に声掛けやジェスチャーで教えたりするし、給水でスペシャルドリンクが取れなかった選手には他の選手が自分のドリンクを分けてあげたりしています。
そんなシーンをオリンピックで以前からよく見ていたのですが、今回の世界陸上でも見られました。
チームで走ると何がいいかというと、集団の先頭にいればレースをコントロールすることができます。
自分たちに都合のいいペースで走り、時々ペースを上げ下げして周りの(他国の)選手に揺さぶりをかけることができるし、徐々にふるい落としもできます。
もちろん最終的には個人勝負になりますが、スタートから30kmぐらいまでは申し合わせたようにチームで走っている感じでした(いや、本当に事前に申し合わせているのかもしれません)。
コロナ感染はただただ残念。孤軍奮闘ではきびしい
今回日本代表で出場した選手のうち、男子1名、女子2名がレース直前の検査で陽性となり出走できませんでした。
これに関してはただただ残念でした。
現地映像を見ているとマスクを着用しているのは日本人選手、関係者、それと観客しかおらず、感染対策を入念に行っていたであろうことは言うまでもなく、それでも陽性となってしまったのですから、「どうしようもなかった」「運が悪かった」としか言いようがないのではないかと。
9月に行われるベルリンマラソンで、日本記録更新という形での「リベンジ」をしてほしいなと個人的には思っています。
話は戻って、3人揃わないとケニア、エチオピア勢の3人と対抗するのはやっぱり厳しい…。
ケニア、エチオピアの代表選手は、個人としても世界トップクラスの実力者。全員日本人選手より格上です。
そんな選手たちがチームワークを発揮して他国選手たちを牽制するわけですから、日本人選手が個人で対抗するのは無理があるなと。
どうにか30kmぐらいまで食らいつくことができても、そこからの「本当の勝負」までには相当消耗してしまっているのではないかと思うのです。
日本人選手がどんなに孤軍奮闘してもきびしそうだなと感じました。
無理矢理例えるなら、
(サッカーだと)CBの選手が1人でPSGの3トップであるエンバぺ、メッシ、ネイマールを止めようとする感じ
(マーベル映画だと)ウォーマシンが1人でアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーと戦う感じ
のように感じられました。
オリンピック、世界陸上はチームで勝負した方がいいのでは?
何が言いたいかというと、日本代表選手は3人揃わないとやっぱり厳しいし、そもそも日本代表選手も3人でチームプレーをした方がいいんじゃないかな、ということです。
男子選手は2人が出走・完走しましたが、個人個人が各々の走りをしているように見えました。
各人が上位を目指しているのだから当然とも言えるし、それを責めるつもりは毛頭ないですが、やっぱり個人でケニアの3人、エチオピアの3人と競い合うのは厳しいんじゃないかな? と見ていて思いました。
所属チームなどの垣根もあるし、いろいろ事情があるのでしょうけど、本気でメダルや上位入賞を狙うなら、そろそろ「チームで勝負する」というのも考えた方がいいんじゃないかなと思いました。
(もちろんチームで走ればメダルを獲れるとか入賞できるといった保証があるわけではないですが)