ルールは守るか、破るか、○○○か
大晦日に行われたボクシング世界タイトルマッチでの井岡選手のタトゥー(刺青)問題が、連日ネットのニュース記事に出ています。
タトゥーを不快に思う人・思わない人等いろいろだと思うので、意見もいろいろなのだと思います。
個人的には、タトゥーをする・しないは個人の自由だと思うし、している人にも特別な思い入れがあることもあるので、一概にどうこうというのはありません。
(目の前にすごいタトゥーをしている人がいたら、一瞬たじろぐと思いますが (^^;))
ただ、タトゥーに関して「ルール」があるのならば、「ルール」として考えないといけないと思っています。
日本ではルール上NG
今回の試合はWBOのタイトルマッチであったけれど、JBC認定プロボクサーによる試合ということでJBC(日本ボクシングコミッション)の規定にも従う必要があるようです。
で、そのJBCのルールの中に、下記のような規定があります(ソースはこちら)。
第86条(欠格事由)
次の各号に該当するボクサーは、試合に出場することができない。② 入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者
これに抵触するということでペナルティの有無が議論されるようです。
「なんで?」という疑問がある
法律に立法趣旨があるように、また会計基準にも設定の経緯があるように、このルールも何らかの趣旨なり経緯なりがあって設けられているのだと思うので、ルールそのものに「なんで?」というのは、ここでは置いておきます。
個人的にはそれ以外の部分で「なんで?」がありました。
規定上は「欠格事由」となっており、「試合に出場することができない」とされています。
ならば、なぜ出場させたのでしょうか?
入場前のバンテージチェックやグローブチェックの時、さらにその前のメディカルチェックや計量の時などにタトゥーが見えていたならば、そこでオフィシャルから指導なり注意なり警告があってもよかったのではないか、と思います。
試合開始前にも、マウスピースの確認やボディチェックなどをすると思いますが、その時にもできたはず。
事前にそういったことはしていたのか、もしもしていないのなら「なんで?」と思うのです。
ルールをどうするかは3択
今回ペナルティについて議論するのならば、まずこの事前チェック体制(の不備?)についても議論されるべきではないかと思います。
もし事前にお咎めが何もなく試合を進めさせたのなら、ただ事後的に処分を下すというのはアンフェアじゃないかと。
この議論に関連して思うのは、「ルール」に対しては以下の3つしかないかなと思っています。
・守る
・破る
・変える(変えてもらう)
2番目の「破る」はアウトで、基本的には1番目の「守る」でしょう。
今回の場合、「ルール」がある以上は、選手はタトゥーをしっかり隠して試合をすべきだったのだと思います。
同時に、オフィシャルは事前にルール違反が分かっていたのなら、指導なり警告なりすべきだったと思います
もし「ルール」に「フェアじゃない」「時代遅れだ」「おかしい」等の理由で不満・不服があるならば、まずはルールを変えてもらうよう働きかけるべきだと思っています。それをせず破るのみというのは違うんじゃないかと。
もちろん現実問題として、「ルール」を変えるのは一人や少人数の力では難しいのだと思います。
ただ、破った時に「○○の理由で変えてほしいと働きかけたんだけど、却下された」というのがあるのとないのとでは、周囲(関係者、支援者、世間等々)の反応や流れも違ってくるんじゃないかと思います。
「ルール」があるなら守る。「ルール」に不満・不服があるなら変える(ように動く)
ということです。
税法などの現行の法律やルールにも「なんじゃそれ?」みたいな規定があるのは否定しません(笑)。