刷り込み(インプリンティング)は人間にもあるんだと思う。いや、あるね。

雑感

卵から孵化したばかりのひな鳥が、最初に見た動くものや声を出すものを親だと認識するというのはよく聞く話ですが、そういう習性のことを「刷り込み(imprinting、インプリンティング)」というのだそうです。

ひな鳥や哺乳類の赤ちゃんは、そうやって親を認識するようですけど、人間もこれに近いことがあると思いました。
「親」ではなく、「神」を認識することに関して。

 

 

サッカーではマラドーナが今でも「神」

あまり「神」という言葉を多用したり安易に使うのは好きではないのですが、いわゆる「神」はサッカーで誰かと問われれば、私はディエゴ・マラドーナと答えます。今でも。

 

小学生時代にサッカーを始めた頃に、TVで見た一番すごい選手がマラドーナだったからです。
当時、マラドーナのプレーは異次元でした(今YouTubeで改めて見ても異次元)。プラティニもかっこよくて好きだったし、ジーコにもスゲーと思っていたけれど、それでもマラドーナだけは別格でした。一人だけ違う光を放っていたような感じ。

それから35年ぐらい経って、次々と素晴らしいサッカー選手が現れていますが、それでも自分の中ではマラドーナです。

バッジョやジダン、ホナウド、ホナウジーニョ、メッシ、CR7でもなく、マラドーナ。
これこそ「刷り込み」なんだろうなと、自分のことながら思います。

 

バスケではジョーダンが今でも「神」

バスケだと、私の中ではマイケル・ジョーダン以外にいません。

ジョーダン以前にはチェンバレン、ジャバー、ドクターJ、マジック、バードといましたし、ジョーダンの後にもコービー、レブロンといったとんでもない選手もいますが、それでも私の中ではジョーダンです。多分これからもジョーダンでしょうね。

 

最初に見たNBAの試合が、1991年NBAファイナルのゲーム5だったからです。
ブルズ vs レイカーズ。「ジョーダン vs マジック」のシリーズで、ブルズが初優勝を決めた試合。この試合が衝撃的すぎて…。

ジョーダンの単独スラムダンク、ダブルクラッチ、空中で止まってのフェイダウェイ、アリウープとスーパープレーのオンパレードの上に、ファウルで試合が止まった直後に後ろにボールをポイッと投げてゴールに入れちゃう”神ワザ”まで見せていました。

アレを最初に見て、その後もジョーダンのプレーを何度も見てきたので、自分の中ではジョーダンが絶対的な存在になりました。
若いうちに完全に刷り込まれているわけです(笑)。
いや、焼き印を押されている感じかも(笑)。

 

ボクシングではアリが「神」

ボクシングでは、私の中ではいつまでもモハメド・アリです。

最初に見たボクシングの試合はマイク・タイソンの試合で(バービック戦だったかな?)、それ以降もタイソンの試合を見て何度もエキサイトしていたのですが、何かのきっかけでアリの試合を見て、アリに魅せられました。
ボクサー以外の(人としての)部分を知ってからは、「アリこそが神」に。

タイソンとアリが現役時代のピーク同士で対戦したとしてもタイソンが勝つんじゃないかと思いつつも、アリには違うものを感じるのです。

レノックス・ルイス、クリチコ兄弟、今のフューリーのような体格・技術の優れた選手が出てきても、それでもヘビー級ではアリが絶対的な存在です。これは変わらないでしょう。

これもまた、「刷り込み」なのかなと感じるのです。

 

GOATが人それぞれなのは必然

そう考えると、それぞれの人にそれぞれの「神」がいるのは必然というか不可避というか、そんな感じなのだろうと思います。

最初に見たすごいサッカー選手がジダンだった人は、今も「ジダンこそが最高」だと思うでしょうし、今メッシを見ているサッカー少年はこれからもメッシが「神」だと思うでしょうし。

バスケでも、最近好きになった人はコービーやレブロン、カリーあたりがそうなのではないかと。

 

なので、GOAT(Greatest Of All Time)は決めようがないなと改めて思います。
「最初に見たすごい選手が誰か」という主観的決定になってしまうし、投票で決めるにしても投票する年代の多い・少ないが影響しそうだし。

親が人それぞれなのと同じように、GOATも人それぞれでいいのでしょう。

そう思ったので、GOAT論に関しては「他人は他人、自分は自分」のスタンスでいようと思った次第です。

 

 

書いた人

ダイ
ダイ
スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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