サンウルブズ活動終了。とても素晴らしいスーパーラグビー挑戦だったと思う

雑感

スーパーラグビーに参戦していた日本のチーム、サンウルブズの活動が5月末をもって終了したとの記事がありました。

日程やコンディションの都合もあって、日本代表フルメンバーに近いチーム編成はなかなかできず、また戦績もかなり厳しい結果だったものの、とても意義のある、素晴らしい挑戦だったと思っています。

 

 

「世界トップレベル」を選手もファンも知る機会が増えた

良かったことを挙げると、まず「世界トップレベル」を知る機会が増えたことかと。

スーパーラグビーは、サンウルブズ以外は南半球(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチン)のチームが参加していて、代表チームではないので大物選手は別々のチームに所属しています。

でも、どのチームもめちゃめちゃ強い。
強豪国の強さだけでなく、選手層の厚さも感じられたと思います。選手もファンも。

 

同時に、試合をたくさんやる中で「絶望的に強い」「絶対勝てない」という感覚がなくなったのではないかと思います。
負け試合の中にも、ものすごく惜しい僅差のゲームがかなりありました。もちろん、そういうところで勝つことが大事なのでしょうけど、手応えは確実にあったはずです。

 

何試合か秩父宮ラグビー場で観戦して、強豪国がどれだけ強いのか、ラグビーがいかに面白いのかがよく分かり、2年後のワールドカップが楽しみになったものでした。そんなふうに感じたのは、私だけではなかったでしょう。

 

経験値の底上げ

サンウルブズは、シーズンを通してメンバーを完全固定するのではなく、コンディション等に合わせてフレキシブルにメンバー編成をしていたので、多くの日本選手が国際試合に近い経験をできるよい機会だったと思っています。

 

スーパーラグビーがなければ、国際試合はほとんどテストマッチだけだったでしょう。
その場合、経験できるのはその時選ばれた日本代表選手のみ。かなり限られます。

でも、スーパーラグビーに参戦したことで、代表入りを目指す選手や将来代表の主力となりうる選手が国際試合(に近いもの)の経験を積むことができたと思います。

サッカーなどでよく「若い選手の経験不足」をマイナス要因に挙げる記事も見かけますが、スーパーラグビー参戦は、ラグビー日本代表にその要因を払拭させてくれたと思っています。

 

ワールドカップ成功の起爆剤

上記を総合する意味でも、去年のワールドカップの成功の起爆剤になったと思っています。
日本代表の決勝トーナメント進出(ティア1入り)もそうだし、大会そのものの盛り上がりもそうだし。

 

私自身、サンウルブズの試合を見たことで「ワールドカップでいい勝負するかもしれないぞ!」と思ったし、2015年の活躍も決してフロックではなく、もっと強くなれると思ったものでした。
ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンのフル代表がリアルガチで勝負するというワクワク感もありましたが(笑)。

 

もちろん代表選手はスーパーラグビーの存在に関係なくハードトレーニングを重ねて強くなったのだと思いますが、サンウルブズでの経験から「どのチームにも「絶対勝てない」ということはない」という手応えというか自信を掴んだ部分もあったのでは? と勝手に推測しています。

 

とにかく

「2015年ワールドカップ → スーパーラグビー → 2019年ワールドカップ」

という流れで強くなっていった・盛り上がったのは間違いないかと。

 

今後の期待:テストマッチが増えること

スーパーラグビーから撤退して、世界トップレベルの試合を見る機会が減るのは残念ですが、サンウルブズの参戦とワールドカップでの活躍をきっかけに、今後テストマッチを日本で行う機会が増えてくれればなぁと思っています。
南半球の強豪国はもちろん、欧州の強豪国ともやってほしいです。

 

トップリーグも大学ラグビーもヒリヒリする好勝負が多くて面白いので見ますけど、世界トップどころの試合には

「なんじゃ、あのプレー!」

「よくあの距離でパスがつながるなぁ」

といった別の面白さというか凄さを感じられるので、それも見たいです。