3年連続大会記録更新。マラソンランナーだけでなくアイアンマンのアスリートも進化している
台風19号が明けた13日、アイアンマン世界選手権のライブ中継を見ました。
一昨年、去年と2連覇中のパトリック・ランゲがバイク途中でリタイアするなど(どこか痛めていた?)意外な展開もあったけれど、ランゲの前に2連覇していたヤン・フロデノが安定したパフォーマンスで3度目の優勝を果たしたのは、終わってみれば手堅かったような。
意外だったのは、大会記録が更新されたことでした。
(フロデノが更新したことは驚きではないけれど)
ランゲが2年連続で記録更新していて、去年は初の8時間切りの7:52:39。
「8時間を切ることはあっても、この記録はそう簡単には超えられないだろう」
と思っていたのですが、1年後に更新されるとは…(汗)。
マラソンの記録更新を知るたびにランナーの進化を感じますが、アイアンマンに出るトライアスリートにも進化を感じます。
驚異の記録
去年のランゲの記録は、7:52:39。
スイム50:37、バイク4:16:05、ラン2:41:32でした。
(3種目を合計した時間と記録が一致しないのは、トランジション(種目の移行時間)があるため)
で、今回のフロデノが出した新記録は、7:51:13。
スイム47:31、バイク4:16:03、ラン2:42:43でした。
比較するとスイムが3分も速いので、潮の流れがよかったのかもしれないなぁと勝手に推測していますが、それでも驚異的です。
最初のスイムが調子よくても、その後の180kmのバイクと42.2kmのランでも抜群のパフォーマンスでないと出せない記録です。
つい2年前までは8時間を切ることもなかったし、「さすがに8時間切りは難しいでしょう…」という感じだったのに。
場所はハワイ島。朝6:30頃にスタートするので、最後のランの時は一日で一番暑い時間帯のはず。
気温は30℃前後ありそうだし、2年前に実際に当地に行って走ってみて「暑い…」と感じたものです。早朝だったのに…。
そんなところで最後のフルマラソンを2時間40分ちょっとで走るってのがもう……(汗)。
ランは駅伝に近い感じ?
最後のランは、距離こそマラソンですが、選手からすればマラソンとはちょっと違うようにも思います。
集団で並走することがなかなかないので。
上位選手は、スイムとバイクで前後にある程度のタイム差があるので、並走することはあまりありません。
視線の先に前を走る選手が見えない限り、みんな孤独です。
その点は前方のランナーを追う駅伝に近いかもしれません。
自分のペースで(プラスしてちょっと負荷をかけて)ひたすら走るっていう。
ただ、その選手の走っている姿に心を揺さぶられます。
「あんな暑いところで心を折らずに走りつづけているんだ」っていうのを思うと、
「俺も負けられねぇ!」
と感じるのです。
(「頑張らなくては」という意味で。タイムで勝てっこないのは分かっています(^^))
まだ記録更新はありうる
マラソンで2時間1分台が出たと知った時もそうでしたが、
「まだまだ進化しているんだなぁ」
と感じます。
進化しているのはトレーニング方法なのかもしれないし、能力の引き出し方なのかもしれないし、そもそもの人間の持っている能力なのかもしれません。
ただ、まだ進化しているように感じるので、今後も記録更新はありうるんだろうなと思います。
「さすがにこの記録は超えられないだろう」
とは考えない方がよさそうです。
その意味では今後も見るのが楽しみです。
ちなみに、レース前に注目していたアリスター・ブラウンリーは、バイク終了時に4位につけていたけれどランで失速したようで、結果的に21位でした。
最後のランは3:13:00でした。相当厳しかったのでしょう。
それでも私のフルマラソンのベストタイムよりはるかに速いのですが…(苦笑)。