番狂わせのKO劇でヘビー級が面白くなってきた
NBAファイナルが始まったり、スーパーラグビーでサンウルブズがホーム最終戦があったり、UEFAチャンピオンズリーグ決勝があったり、RIZINでメインイベントのKOシーンがCMでカットされたりと(苦笑)、イベントの多かった週末。
自分の中で一番インパクトがあったのは、ボクシングWBAスーパー、WBO、IBFの3団体統一ヘビー級タイトルマッチでした。
ヘビー級は何が起こるか分からない。
改めてそう感じて、今後ますます楽しめそうです。
いつ以来の大番狂わせ?
3団体統一チャンピオンにして無敗(22戦全勝21KO)のアンソニー・ジョシュアが、アンディ・ルイス・ジュニアに7R TKO負けしました。4度もダウンを奪われて。
見事に均整のとれたアスリート体型で、ボクシングスタイルも正統派な印象のジョシュアが、マーク・ハントのような体型をしたルイスの重そうなパンチに沈むとは思いもしませんでした。
むしろルイスは「咬ませ犬」というか、デオンテイ・ワイルダーとの4団体統一戦に向けた「慣らし運転」ぐらいの位置付けだと思っていました。
やっぱり勝負は分からないものです。
久しぶりの大番狂わせ(Massive Upset)。
一部ネット記事では「タイソン vs ダグラス戦以来」とも書かれていましたが、そこまでじゃないかなと思います(苦笑)。あの試合と「キンシャサの奇跡」は群を抜いて特別です。
ただ、かなり久しぶりの番狂わせであることは間違いないです。
個人的には、1994年のレノックス・ルイスがオリバー・マッコールにKO負けした時以来の衝撃です。
(って、知ってる人少ないんだろうなぁ…(^^;))
ヘビー級の醍醐味・魅力を再確認
上で「勝負は分からない」と書きましたが、ヘビー級の勝負は特に分からないものです。
体重が重い分、他の軽い階級よりもパンチの威力が強いので、クリーンヒットでなくても、一発ヒットすれば形勢が大きく変わります。
軽量級だと、カウンターのストレートやフックが、相手の急所(アゴやテンプル)にクリーンヒットしないとKO決着はなかなかないものですが、ヘビー級だと「命中」でなくてもKOがあるし、場合によってはジャブでKOもありえます。
今回の試合も、こないだの井上尚弥選手のKOシーンのような鮮やかな一発はなかったものの、パンチの重さゆえに大きなダメージが蓄積されていったのでしょう。
後から見て、「ああ、アレとアレが効いたんだぁ…」という感じ。ただ、やっぱり強烈でした。
カウンターなら一発で終了だし、クリーンヒットしなくてもダメージが大きい。
ヘビー級ならではの怖さというか、醍醐味というか、面白さを再確認しました。
「再確認」したのは、長い間クリチコ兄弟がチャンピオンに君臨していたからかも。
クリチコ兄弟は、「一発で沈める」というより「ジワジワいたぶる」感じの攻撃スタイルだったので(笑)。
ヘビー級も面白いけど、他の階級も面白い
ヘビー級は一発で勝敗が決まる面白さがあるけれど、それでも他の軽い階級もやっぱり面白いです。
スピードや技術的な攻防は軽い階級の方が優れているし、実力の違いが表れやすいのも軽い階級かな、と。
早いタイミングでのKOなんて、なかなかないのが通常なのに、バンタム級で(それ以下の階級でも)2R以内で勝負を決めてしまう井上選手はやっぱり凄いです。技術もパンチ力も一味、いや、二味以上違います。
そんな試合を見るとエキサイトせずにはいられないので、ボクシング観戦はやめられません。
判定決着も大好きですけどね(笑)。
むしろ、いい攻防をフルラウンドしてからの判定決着の方が好きかも(笑)。