ドイツ初めてのGL敗退。強豪国の苦戦が続く要因を考えてみた
ドイツが初めてグループリーグ(以下、GL)で敗退しました。
しかもグループ最下位の4位。
ブックメーカーやトトカルチョでグループの順位予想があったら全滅しているのでは?
っていうぐらいの波乱です。
ドイツ敗退については、すでにドイツを主語にした敗因分析や批判が噴出しているようですが、私は逆に強豪国といい勝負をしている実力的に弱い国の方にも要因(つまり、弱い国にとっての勝因)があると思っています。
強豪国の苦戦
ドイツだけでなく、他の強豪国も苦戦しています。
スペインやポルトガルはGLを突破したものの決してラクではなく、
「え~!?ココと引き分け!?」
っていう試合もありました。
アルゼンチンは言うまでもなく超苦しんでのGL突破だったし、全体的にのんびり見ることができない大会になっています。
ブラジルも手堅く突破しているけれど決してラクではなかったし、フランスも無敗とはいえ3試合で3得点というのはちょっと物足りないです。
「弱者の戦い方」の実践
一部の強豪国が苦戦している要因の一つに、弱い国の戦い方があると思っています。
いわゆる「弱者の戦略」というか、弱者としての戦い方です。
強豪国の試合を見ていると、多くの試合でこんな光景が見られます。
・強豪国がボールを持っている時、相手国はFW1人(または2人)を残して、全員(フィールドプレーヤー8~9人)が二列のラインを作って守備に徹している。
・二列のラインを崩すことがほとんどない。中盤の一人がDFラインに加わる等の微調整はあっても、ほとんど乱れることなく守備に集中している。
・強豪国はボールを持っていても最前線は数的に不利なので、なかなか崩すことができず攻めあぐねる。サイドに散らしたりバックパスして戻したりパスを近くで回したり。
・強豪国の中盤の選手も次第に焦りだし、守備への切替えの意識が弱くなっていく。そんなタイミングで相手の国にボールを奪われてカウンターを受ける。
・DF陣もカウンターに対処しきれず、ピンチを迎える(あるいは失点につながる)。
弱い国による堅守速攻。
モウリーニョ監督がインテルやレアルでバルサやバイエルン相手に実践していたカウンターのスタイルが、多くの国(実力的に弱い方の国)で浸透・実践されている印象があります。
モウリーニョのインテル時代は、ディエゴ・ミリート一人だけ残して、サミュエル・エトーが右サイドバックのようなポジションでディフェンスしていましたからね…(汗)。
強豪国を相手にする国は、どのチームも身体を張って守っています。
ペナルティエリア内ではしっかり両手を後ろに組んで、ボールを顔面や急所に受けてもいい覚悟で構えている印象です。
数少ないカウンターアタックかセットプレーのどちらかしかチャンスはないけれど、そのチャンスまで辛抱強く、また粘り強く守っていて、まさに「弱者の戦い方」を実践しているなと感じます。
順調な国と低調な国の違い
とは言っても、強豪国の中には苦戦あるいは苦杯をなめた国もあれば、順調に勝っている国もあります。
後者は、例えばベルギー、クロアチアあたり(イングランドは敢えて外します(^^))。
順調な国の何が良いかというと、以下の要素を全部持っている点だと思っています。
・圧倒的な個人のフィジカル、スキル、創造性
・チームとしての創造性(チームとして相手守備陣を崩すアイデア、引き出しの多さ)
・ボールを奪われた後の前線~中盤の戻りとプレスの早さ
苦戦している国は、上記の中の何かが足りないような感じがしています。
「強者の戦い方」も必要では?
フィールドプレーヤー8~9人でガッチリ守って一気に速攻で畳みかけるという「弱者の戦い方」が多くの国で実践されている中では、強豪国も「強者の戦い方」が必要なのではないかと思います。
相手の守備網をどう崩すか、カウンターにどう備えるか、セットプレーをどうしのぐか又は活かすか、等々。
個人的な意見ですが、今のバルサやグアルディオラ監督が率いているマンCに、そのヒントがあるように思います。
フィジカルやスキルの高い選手を集めるのも当然必要ですが……