自転車のX線検査導入は必然か…
ドーピング問題が何かと多いサイクルロードレース。
なぜ多いかというと、ドーピングの効果がレース成績にテキメンに出るからなのですが(苦笑)、とうとうレーサーの人体だけでなく、マシン、つまり自転車も検査対象となることになったようです。
国際自転車競技連合(UCI)は機材に隠しモーターをつけるなどの不正行為を防止するため、グランツール(三大ステージレース)とトップレベルのクラシックレースでX線検査機器を搭載した車両を導入する。
関係者が20日、ロイターに明らかにした。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタの三大ステージレースの各ステージ終了後と、五大ワンデーレースのレース後にX線カメラで機材をチェックするという。
2年ほど前に自転車にモーターを付けていたのがバレた選手がいたし、ツール・ド・フランスで活躍した選手もドーピングのみならず、「自転車にモーター付けてるんじゃないの?」なんていう疑いをかけられたりしているので、自然な流れなのでしょう。
サイクルロードレースが好きな自分としては、
「ああ、自転車まで検査しないといけない競技なんだなぁ」
という感じです。
ただ、それによってよりクリーンな(インチキの可能性が少なくなる)競技になるのなら良いことだと思っています。
モーターを付けたら絶対快適
自転車にモーター。
電動アシスト付き自転車にも乗ったことがないのですが(苦笑)、モーターが付いていたらかなり快適だろうなぁというのは想像できます。
ゴール直前のスプリントではあまり役に立たなそうですが(モーターが小型すぎるので、選手の脚の方が優れているんじゃないかと)、上り坂や向かい風の中の走行では活躍するでしょう。
タイムトライアルのような、安定したペースを保つのにも役立つと思います。
自転車のサイズや重量を考えるとバッテリーを小さくせざるをえないので、モーターを駆動させる時間は限られるでしょうけど、それでもタイミング良く使えれば順位を上げることが出来そうです。
順位を上げることができなくても、体力のセーブには確実に役立つはずです。
そう考えると、選手にとってかなり魅力的ではないかと。
バレた時のガッカリ感はドーピングよりも大きいかも
ただ、もしも大物選手の自転車にモーターを付けていたことが発覚したら…と想像すると、そのガッカリ感はドーピングの比ではないかも。
ドーピングの場合は、たとえクロだったとしても何らかの説得力ある言い訳ができそうだけど(肉のせいだとか、医者が処方した薬のせいだとか…)、モーターは言い訳のしようがないでしょう。
「スタッフが勝手に取り付けた」なんて言っても、操作レバーとかボタンとかの使用痕があれば即アウトだし、バッテリーを消費していればそれもアウトの証拠になるでしょうし。
それに、普段ないはずのものが取り付けられれば、一流のレーサーなら「ん?重くないか?」という違和感があるでしょう。
モーターは「知らなかった」が、ほとんど通じないはず。
それだけに「おいおいマジかよ……」というのが大きそうです。
クリーンな競技であるために必要と考えるしかない
サイクルロードレースが「身体を使って自転車を走らせる競技」である以上、身体にも自転車にも不正の有無をチェックするのは不可避なのでしょう。
不正の効果がテキメンに出るだけに尚更です。
見る側からすれば、ドーピングもモーターも
「そもそもそんなもの使おうとするなよ」
と思うものですが、その道のプロ選手の立場にならないと、その魔力は分かりません。
ただ、今回自転車も検査対象になったのは画期的かと。
クロが検出されないのがベストですが、検査することになった途端に成績が悪くなった選手がいたら、それはそれで興味深いかも……と思ったり(笑)。