ロイ・ジョーンズJrの引退は「ああ、引退か…」と「よかった…」の半々
ロイ・ジョーンズJrが、先週の試合をもって引退したようです。
(ただし、後述の通り1試合だけ続行の可能性あり)
49歳。
好きだったボクサーなので、「ああ、引退するのか…」という思いがしましたが、キャリア後半の戦績を振り返ると、好きだったがゆえに
「ああ、やっと引退してくれる。よかった…」
という思いもあります。
全盛期は本当にすごいボクサーだった
ロイの全盛期は、1990年代から2003年にヘビー級チャンピオンになるまでの時期だったと。
本当にすごいボクサーでした。
何がすごいって、フィジカル(特にスピード)と反射神経が人並み外れてすごいボクサー達の中で、ロイだけ一人飛び抜けていたところです。
全盛期は、一発もクリーンヒットを許していなかったのでは?
相手のパンチはヒラヒラかわすか、ガードでいなして、ほとんど相手にマトモに攻撃させなかった印象です。
ロイが攻撃すれば、ジャブもフックも連打も高速で(パワフルと言うより速くて切れ味鋭い)、攻守両方のすごさは人間離れした感じもしました(笑)。
私がボクシングを始めた頃に、動きや連打を真似してみたのですが、まぁ出来ませんでした。いや、出来るわけがない(笑)。
「もしも」ですが、フロイド・メイウェザーJrと同じ階級・全盛期同士で一戦があったなら、ロイが圧勝したんじゃないかなぁと思うぐらい、全盛期ロイの強さは圧倒的でした。
二度と出てこないかもしれない
ロイの偉業としては、やっぱりミドル級チャンピオンからヘビー級チャンピオンになったことでしょう。
106年ぶりの偉業。
ロイの場合、ミドル→スーパーミドル→ライトヘビーと階級を上げて、長い間ライトヘビー級を主戦場にしていましたが、当時のWBAヘビー級チャンピオンがジョン・ルイースだったからか、ヘビー級で試合できるスレスレまで増量して挑戦して、見事に勝ちました。
普通、ライトヘビー級の選手でもヘビー級でやろうとは思わないですけどね……(笑)。
この試合を改めて見ると、明らかに身体はロイの方がちっちゃくて、階級の差があることを感じずにはいられませんでした。
それがそれが。
抜群のスピードで翻弄してクリーンヒットを入れるわ、ルイースのプレッシャーやパンチをかわすわで、圧巻の試合でした。
歴代ベストマッチを10挙げるなら、1つはコレだと思っています。
今後しばらくは(50年ぐらい?)ミドル級チャンピオンからヘビー級チャンピオンになるボクサーは出てこないでしょう。
「階級の往復」は難しい
ロイの場合、全盛期を過ぎてからは、ちょっとアレでした。
ヘビー級を獲った後、防衛せずに返上してライトヘビー級に戻したものの、そこからは勝ったり負けたりで……。
筋肉をつけて増量してヘビーまで上げてからライトヘビーに戻したことで、増量前にあった抜群のスピードがなくなってしまった感じがしました。
全盛期は12ラウンドを通じて圧倒的なスピードと反射神経を誇っていたのに、全盛期後はそれがちょろっとしか見られなくなったというか。
大偉業を成し遂げたのと同時に、「階級の往復」は難しいことを証明してしまったのがロイだったように思います。
キャリア後半は見ていて辛かった…
全盛期を過ぎてからは、勝った試合もあったけれど、負け試合の多くが失神KO負けで、一人のファンとしては見ていて辛い思いがしました。
アントニオ・ターバーとグレンコフ・ジョンソンに連敗したあたりで、もう厳しかったのではないかと。
ジョー・カルザゲにボコボコにされた試合を見て、「もう引退した方がいいんじゃない?」となり、デニス・レべデフにKO負けした時には「頼むからもう引退して!」という思いでした(苦笑)。
それまでの試合も、全盛期とは見違えるほど鈍くなっていたし、「またヤバいパンチもらうんじゃないか」と毎試合ハラハラして見たものです。
今回引退を決めたことは、一人のファンとしてはホッとした部分もあります。
まだ完全な「引退」ではないっぽい
ただ、まだ「完全に引退」というわけではないようです。
アンデウソン・シウバとボクシングマッチが出来るならやる気があるそうで、アンデウソンと契約しているUFC側に「どうなのよ?やるの?こっちはやるつもりだよ」と持ち掛けているようです。
アンデウソンももうすぐ43歳と、お互いさすがに年齢が年齢なので、実現したとしても「おお!スゲー!」っていうボクシングは期待できないなぁと思っています。
やるなら、もっと早くやってほしかった……
個人的に、この試合は実現しなくてもいいと思っています。
もちろんやるなら気にしますが(笑)。
ロイに影響されて、ワークアウトでは今もジョーダンの短パンを履いています。
ジョーダンもロイも好きなので、今後も変えません(笑)。
これからもカッコよさはロイを真似しつづけます。
程遠いのは分かっているけど(苦笑)。