「ない」と信じたい。カンチェラーラの「隠しモーター」疑惑
ちょっと前になりますが、こんな記事がありました。
元世界王者カンチェラーラ氏、「隠しモーター」疑惑で調査対象入りか
UCIロード世界選手権(UCI Road World Championships)元王者のファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara)氏が、隠しモーターを使用していた疑いで調査対象となる可能性が浮上した。国際自転車競技連合(UCI)が9日、AFPの取材で明らかにしている。
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元プロサイクリストのフィル・ガイモン(Phil Gaimon)氏が執筆した新たな著書では、スイス出身の元スター選手であるカンチェラーラ氏について、「映像を見てみると、彼の加速はまったく不自然だ。ペダルがひとりでに動いているようにみえる」と指摘されている。
UCIのダビド・ラパルティアン(David Lappartient)会長はこれを受け、Cyclingnewsのウェブサイトで、「この背景に何があるのか正確に知る必要がある。もちろん、皆さんのように私もすべてのうわさを耳にしており、事実を知りたい。だから、われわれは調査に乗り出すことになる。それが仕事だ」と述べた。
「このようなこと(機材ドーピング)が、プロの自転車競技では決して起きていないことを願っている。それが事実であれば、自転車競技のイメージにとって大打撃となってしまう。だからこそ、われわれは闘っていく必要がある」
UCIの広報担当者も、「われわれの情報に新たな要素が加わらない限り、調査開始の可能性を除外できない」として、ラパルティアン会長のコメントを裏付けている。
2016年に現役を引退したカンチェラーラ氏は、2010年のツール・ド・フランドル(Tour of Flanders)とパリ~ルーベ(Paris-Roubaix)で優勝した際に、隠しモーターを使用した疑いが持たれたが、これまですべての疑惑を否定している。
ファビアン・カンチェラーラはTT(Time Trial)スペシャリストとして知名度・実績が抜群で、個人TTだけでなく、クラシックレースにも強い選手でした(去年引退)。
TTで果敢に攻める走りと、穏やかでジェントルマンな感じの外見がかっこよく、例の「ランス・アームストロング事件」以後は私にとって唯一の好きなサイクルロードレーサーでした。
それだけに「マジで!?」と思うのと同時に、
「なぜ今?」
「なぜ現役中に調査しなかったの?」
というのが率直な感想です。
同時に、
「そんなことないよね?」
という、思いもあります(苦笑)。
たしかにすごい走りをしていた
↑の記事には、加速が不自然だという内容のコメントがあります。
たしかに、凄すぎてそう見えるフシはあります(笑)。
特に、ツール・ド・フランデル2010のアタックはヤバかったです。
急こう配の上り坂でトム・ボーネンを置き去りにして、残り15kmを個人TTのように独走したレース。
これを見ると、たしかにそう見えるかもしれません。
なぜ今?
ただ、やっぱり「なぜ今?」感が拭えません(苦笑)。
おかしい、異常だと言うなら、もっと早く調査できたんじゃないかなぁと思うのです。
このレースは7年前のものだし、同年のパリ~ルーベで約40kmを独走した時に疑ってもよかったのでは?
カンチェラーラがリオ五輪で金メダルを獲って有終の美を飾った1年後に、疑惑が出てきたことが解せないです。
一度疑われたことはある(結果シロだった)
最近(去年?)女子選手でクロだったことがきっかけでもあるのでしょうけど、カンチェラーラも過去に疑われて調べられたことはあります。
2009年ツール・ド・フランスの第1ステージが個人TTで、カンチェラーラがアルベルト・コンタドール(この年の総合優勝者)に僅差で勝ってステージ優勝した時ですが、
「バイクになんか仕込んでるんじゃねぇの?」
と疑われたようで、ステージ終了後に使用したバイクをX線検査されていました。
で、バイクを検査した結果シロでした。
というのを、当時のツール・ド・フランスのハイライト(BSでやってたやつ)で放映されていました。
が、その翌年以降やっていたのでしょうか?
う~ん……
シロだと思いたい…
一度アームストロングに裏切られたことがあるので(苦笑)、「それはないっしょ」と断言することはできません。
ただ、「ないっしょ」と思いたい……
ドーピングが成績にテキメンに影響する競技だからこそ、このテの問題がついて回るのは仕方ないし、調査が必要なのも分かるけれど……、もっとタイムリーにやってほしいなぁと思う次第です。