復活のGSP。階級はウェルターに戻した方がよさそう
昨日はUFCミドル級タイトルマッチ、マイケル・ビスピン vs ジョルジュ・サンピエール(以下、GSP)があり、ライブ中継を見ていました。
午前中に来週のフルに備えた30kmランを敢行した後、ボロボロの状態で(苦笑)。
結果はネットで報じられている通りで、フィニッシュのチョークへの移行はさすがでしたが、ミドル級で続けるのは難しそうだなと思いました。
身長差、リーチ差による距離感の取りづらさ
GSPは身長178cm。復帰前のウェルター級でも決して大柄ではなかったし、このぐらいの身長の選手はウェルターよりもう一つ下のライト級にもいます。
なので、いきなりミドル級だと身体のサイズが違いすぎて厳しいんじゃないかなぁと思っていました。
スピードを活かせば、両脚タックルには入りやすいかも、ですが。
相手のビスピンは身長188cm。GSPより10cm大きいので、リーチ差もあったでしょう。
実際、試合でも身体の大きさに差を感じたし、その差から相手との距離感を掴みづらくてパンチを当てられず、反対にもらっていたシーンもありました。
自分の(攻撃が届く)距離になるのは、イコール「相手の攻撃も届く距離」でもあるので、ヒット&アウェイのような感じで行くしかなかったかなぁと。
身長180cmの自分が190cmぐらいの人を相手にスパーリングをすれば、やっぱり「う~ん、デカい。懐に入りづらい…」と思うし、明らかにやりづらそうでした。
通常体重の差からうるパワーの差
身体のサイズ差があるので、パワーの差もあったと思います。
ミドル級の選手の多くは通常体重が90kg以上で、そこから試合に向けて83.9kg以下まで落としているでしょう。
減量が上手い人は、10kg以上減量して、計量後24時間ほどで10kg近く戻したりもします…(汗)。
今回のGSPは計量時83.6kgだったようですが、そんなに通常体重と変わらないんじゃないかと。
ビスピンとは通常体重で10kg近く差があったと思うし、計量ではほぼ同じ体重だったものの、試合時にはまた5kg以上は差があっただろうなぁと推測しています。
それだけにパワーの差があるのは不可避だと思いました。
実際、試合時にテイクダウンしても、相手を押さえ込むことができず抵抗されたり簡単に立たれる場面もありました。第3Rのグラウンド時の出血も、ビスピンを押さえ込むことが出来なかったからだし…。
GSPほどの選手でも、ミドル級ではパワーはそれほどでもないのかなぁ、と。
それと、打撃一発一発の重さの違いも当然あります。
これはボクシングでも同じことです。
打撃の威力では、体重の重い方が圧倒的に有利であり、第2Rにビスピンのパンチが入った時はさすがに「あっ!ヤバい!」と言ってしまいました。カウンターでヒットすれば一発でおしまいだったでしょう。
GSPも序盤からいいパンチを当てていたのですが、最後にダウンを奪った左フック以外はあまり効いていないように見えました。
ウェルター級なら、相手が倒れていたかもしれないですが……
ミドル級よりウェルター級の方がいいと思う。相変わらず強い
そんなことを思ったので、昨日の試合でミドル級チャンピオンになったのはいいけれど、ミドル級タイトルを防衛するのは難しそうだなぁと思いました。
アンデウソン・シウバとの試合を見てみたいなぁ、というのはありますが(笑)、そこまで防衛できるか今のところ疑問です。
やっぱりGSPはウェルター級がいいかなぁと。
テイクダウンしてからのコントロールや打撃のキレ味はウェルター級の方が活きると思いました。
もちろんウェルター級も猛者だらけですが。
約4年ぶりの復帰戦で、スピードの衰えや試合勘の不足が若干あったように見えましたが、まだまだ強いなぁと感じました。
最後にダウンを奪った後にヒジ&パウンドで仕留めに行ったときに、ビスピンが身体を反転させたのを見逃さずにチョークに持ち込んだのは、冷静さがあったからこそでしょう。
試合前にビスピンに挑発されまくっていたので、感情的にタコ殴りに行ってもおかしくなかったところですが(笑)、すぐにチョークへ移行したのはさすがでした。
それと、やっぱりタックルに入るタイミングは絶妙だし、スーパーマンパンチのフォームもきれい。これは復帰前と全然変わっていなかったです。
見ていて「カッコいいなぁ。マネしたいなぁ」と、改めて思いました。
スーパーマンパンチを一体誰に出すんだ?(笑)