ヒョードルのKO負けに驚きはない。12年前とはやっぱり違う
昨日行われたベラトール180で、エメリヤーエンコ・ヒョードルがマット・ミトリオンにKO負けしました。
ヤフーニュースのトピックスにまで出ていたのが驚きでしたが(笑)、ヒョードルがKO負けしたこと自体に驚きはありませんでした。
「ヒョードルが完敗する日も近いだろう」とは思っていました。
ただ、本当に最強だった頃に生観戦していた一ファンとしては、実際にKO負けした試合を見て残念な思いもありました。
2002~2005年は間違いなく最強だった
ヒョードルはリングス時代から知っていましたが、試合を生で見たのはPRIDE 22(vs セーム・シュルト)が初めてでした。
パウンドの威力がそれまでのヘビー級選手とはケタ違いに凄く、それはパウンドを当てる時の音に出ていました。
音で「うわぁ~!」とやられる選手のことを察するみたいな(笑)。
PRIDE 23のヒース・ヒーリング戦が、あれだけ一方的になるとは……(懐かしい…)
ノゲイラとの3試合、ミルコとの一戦も会場で見ました(ついでに言うと、ヤバかった藤田戦も)。
あの頃のヒョードルは当時間違いなく最強だったと思うし、「60億分の1」という称号にも頷ける選手だったと思っています。
12年前とは違う
今は2017年。
ゾクゾクしながら見たミルコ戦から12年も経っています。干支一周りです。
ヒョードルだけでなく誰もが12年歳をとっているし、その間にMMAの技術も選手も進化しています。
近年MMAファイターになる選手は、バックボーンとなる競技でエリートだった人も多いです(ミトリオンはアメフト出身、ダニエル・コーミエ、チェール・ソネンはレスリングでアメリカ代表レベル)。
技術的にも「立ち技はいいけど、寝技が…」とか「グラウンドは強いけど、スタンドが…」という選手は少ないです。
全局面で競技レベルが上がっているので、12年前は最強でも、それが続くことはなかなかないだろうと思っていました。
12年前のヒョードルだったら…
今回のミトリオン戦、2分足らずで終わってしまったので試合映像を見ました。
初めはアクシデント的に起こってしまった敗戦のように見えましたが、やっぱり違うなと。
12年前のヒョードルだったら、あの「相打ち」は相打ちにならず一瞬早く当てていたと思うし、
12年前のヒョードルだったら、あの相打ちでは倒れなかったと思うし、
12年前のヒョードルだったら、万一相打ちで倒れたとしても、ミトリオンより早く立ち上がって先に追撃していたと思うし、
12年前のヒョードルだったら、ミトリオンのラッシュを受けても上手く守ってスタンドに戻していたんじゃないかなぁと。
「あの頃とは違う」というのをすごく感じた試合でした。
変わらずに第一線で活躍している選手はすごい
そう思うと、10年以上変わらずに第一線で活躍している(してきた)選手のすごさを感じます。
最近のMMA選手ならランディ・クートゥアやダン・ヘンダーソン、ファブリシオ・ヴェウドゥムとか。
ボクシングならバーナード・ホプキンスやフロイド・メイウェザーJr、ウラジミール・クリチコとか。
テニスならロジャー・フェデラーとかラファエル・ナダルとか。
もっとたくさんいる。
NBAやサッカー、MLB、NFLにもたくさんいます。
もちろん、ヒョードルは引退後のブランクがあったことも否めないけれど、復帰した以上はそれなりの覚悟で臨んでいるはずので、今回は厳しい現実を突きつけられたんじゃないかと。
ただ、まだ現役を続ける意向のようなので、次戦も見たいです。