ドリブル最速…この数字だけ見ても分からないっす
サッカーでは、スピードが重要な要素の一つです。
サッカーの場合、単純なダッシュの速さも大事ですが、ボールを持った状態(ドリブル)での速さも非常に重要です。足が速くても、ボールコントロールがアレ(ヘ〇〇ソ)だと、ボールを持った途端にスピードが落ちて残念だったりします(ケースとして少ないですが)。
昨日、ドリブルのスピードに関してこんな記事が出ていました。
『C・ロナ5位、メッシ7位…時速36.9kmの世界一速いドリブラーは?』
メキシコ1部リーグの強豪パチューカが、FIFA(国際サッカー連盟)の公認データを基に世界一ドリブルの速い選手を発表し、レアル・マドリードのウェールズ代表MFガレス・ベイルが時速36.9kmで最速の選手であることが明らかとなった。28日のスペイン紙『マルカ』などが報じた。
・・・
ドリブルの速さを数値化した世界ランキングは以下のとおり。
1、ガレス・ベイル(レアル・マドリード):時速36.9km
2、ユルゲン・ダム(パチューカ):時速35.2km
3、アントニオ・バレンシア(マンチェスター・U): 時速35.1km
4、アーロン・レノン(エバートン):時速33.8km
5、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード):時速33.6km
6、セオ・ウォルコット(アーセナル):時速32.7km
7、リオネル・メッシ(バルセロナ):時速32.5km
8、ウェイン・ルーニー(マンチェスター・U): 時速31.2km
9、フランク・リベリー(バイエルン):時速30.7km
10、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード):時速30.6km
大元の記事であるスペインの『マルカ』紙を確認していませんが、疑問がいくつかあります。
- この「速さ」は、最高瞬間速度なのか?平均速度なのか?それともどこか定点での速度なのか?
- 何メートルをドリブルした結果の記録なのか?
- あれれ?ロッベンはいないの?
とか。
これらが分からないと、そのまんま受け取ることはできません。
同じ「速い」でも、選手によってタイプも違うって!
トップ10にリストされた選手は、概ね「瞬足」と言われている選手です。
試合でダッシュが速い印象の選手ばかりです。
でも、同じ「速い」でも選手によって特徴は違います。
例えば、リオネル・メッシは100mの距離だと(ドリブルでも)大して速くないはずです。日本人でも100m走なら勝てる選手は何人もいるでしょう。
メッシの場合、最初の10~20mぐらいが抜群に速いです。「よーいドン」の瞬間にトップギアになって、爆発的なスピードを出します。だから、誰もメッシのゴール前での動きについていけないのです。元選手ならホナウドもこのタイプです。
もしこれが自陣からのカウンターのように単独でのドリブルなら、足の速いDFは追いつけるでしょう。
クリスティアーノ・ロナウド(以下、CR)も最高速度は抜群に速いです。
ただ、CRがトップスピードになるのはスタートから20m~40mぐらいじゃないかなと思います。最初の10mも速いですが、まだギアは「4速」ぐらいのような感じです。
CRもメッシと同様に長い距離を速く走る感じではなく、短い距離を速く走るタイプです。
だから、速攻でも走るのは50m以内の方がスピードが生きると思っています。
これと逆のタイプなのはロッベンとベイルでしょう。
ロッベンは、30~60m走で抜群に速い印象です。トップスピードになるのはスタートから20~50mぐらいかなと。瞬間的に相手を置き去りにするのではなく、最初は相手と競ったうえで競り勝つような印象が強いです。
20m走のような超短距離ではメッシに負けても、50m以上の距離なら圧勝でしょう。
ベイルはもっと長い距離で速さが生かせるタイプです。おそらくトップスピードになるのはスタートから30m以降のはず。50mよりも長い距離を速く走る印象です。
瞬間的にトップギアになるというよりも、3速ぐらいからジワジワとトップギアに上がっていくタイプかなと。
実際、ベイルの速さが特に活きた試合は、長い距離の速攻が多いです。トッテナム時代のインテル戦(ベイルがハットトリックをした試合)や去年(2014年)のコパ・デル・レイ決勝のバルサ戦なんかは好例でしょう。
「最速」はよく分からない
「速い」と一言で言ってもタイプが全然違うし、サッカーの場合決まった距離を競うわけでもないので、順位づけには意味がないように思います。
100m走のように決まった距離だったとしても、カール・ルイスやウサイン・ボルトのように50m過ぎからトップギアになる選手もいれば、ベン・ジョンソンやジャスティン・ガトリンのようにスタート時の初速が速い選手もいます。
(一部表現が古いですね……(^^;))
正しい順位をつけるなら一斉に「よーいドン」でやるしかないんじゃない?と思います(笑)。
書いた人
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スポーツを見るのも好きなトレーニングジャンキー。サブ3.5を目指す(あと2分ちょっと…)自称中級市民ランナー。
見る方では、海外サッカー、マラソン、トライアスロン、格闘技全般、NBA、ラグビーが主な守備範囲。テニスもMLBも陸上競技も好き。
公認会計士 税理士
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