「判定?ダメだよ。KOじゃなきゃ」はある意味では正しいのかもしれない
週末は国内でボクシングのタイトルマッチがTV放映されていたので、いくつか見ました。
ジーンとくる試合もあれば(特に某G会長の涙に)、「こりゃあスゲー」と思うKO決着もありました。
そんな中、世間で一番話題となったのは例の判定決着でしょう。
私も判定を聞いて「えっ!?」( ゚Д゚)、となりました。
採点しとけばよかった…
この試合、ラウンド毎の採点はしていませんでした。
試合が決まった時からワクワクするようなカードだと中継を見ながら自分でも採点をしてみるのですが、今回はせず。
終わってから「採点しとけばよかったなぁ…」と後悔しました(苦笑)。
ただ、感覚的に村田選手の勝利だと思っていました。
第4ラウンドのダウンの時は確実に「10-8」でしょうし、その後も少なくとも5ラウンドは有効打の数でエンダムを上回っていたかなと。
有効打のなかったラウンドをエンダムの「10-9」にしても、トータルでは1ポイントか3ポイント勝っていたかなぁと思っていました。
それだけに判定にはビックリ。
特に、ジャッジの一人が「111-116」だったのが驚き。
これって、「ダウンを奪った第4ラウンド、プラス2つのラウンドを村田選手支持、残りの9ラウンドは全てエンダム支持」っていうことなので、「ほんとかぁ?」と思わずにはいられませんでした。
「有効打がなかった」ということ?
ボクシングの採点基準は、順に
・ダウンの有無
・有効打の数
・どちらがより攻撃的だったか
・どちらがより上手く防御していたか
・リング・ジェネラルシップ(どちらが主導権を握っていたか、試合をコントロールしていたか)
と言われています。
自分もこれにのっとって評価しているつもりなのですが、今回エンダムを支持したジャッジからすれば、
「有効打なんてほとんどなかったじゃん。効いてないからエンダムが積極的に攻撃してたじゃん。有効打が超少ない試合だったから、手数で評価したんだよ」
ということなのかなぁと。
(そうとしか思えないです…)
ジャッジの人がどういうふうに評価したのか聞いてみたいです。
良かったこともある
そんな中、良かったと思ったのは、WBA会長が「納得いかん。ダイレクトリマッチじゃぁ!」と吠えたこと(笑)と、村田選手のコメントでした。
WBA会長が自らのスコアカードを公表して判定に異議を唱えたのも珍しいですが、「ダイレクトリマッチせい!」とコメントするのも珍しいなと。
村田選手サイドがどうするか分かりませんが、少なくともダイレクトリマッチは「しようと思えば」できそうです。
そして、村田選手。なんて爽やかなのでしょう。
少なくとも試合直後は「勝った!」と思ったでしょうし、判定を聞いて「え~っ!?」と思ったはずだし、悔しくないわけがない。
にもかかわらず、判定に対しては
「受け入れるしかありません。それがアスリートの役目かと思っています。」と。
更に、
「大切なことは、2人がベストを尽くしたこと、日本に来てくれて感謝していると伝えました。エンダムとエンダムのスタッフ達にも感謝いたします。」と。
「ヒデーよ、あのジャッジは」と、外部からガヤつくのが恥ずかしくなるくらい(苦笑)冷静かつ清々しいコメントです。
次は誰と対戦するのかまだ分かりませんが、もしかしたら
「ミドル級のラスボス(「G」が3個の選手)に勝つには、今回はKOしないとダメだった」
とか、思うところがあったのかもしれません。
それだけに次のタイトルマッチ挑戦には注目したいところです。
「KOじゃなきゃ」は選手にとっては大事なことかも
判定決着でも見応えある試合は多いし、KO決着でも「え~っ!?」と思う試合もあるので、観る側の一人として基本的にKO決着にはこだわっていません。
でも、選手からすればやっぱり自分の拳で決着をつけるKOこそがベストであり、判定のように第三者にジャッジを委ねるのはリスクのあること(不確実性の高いこと)なのでしょう。
観る側としてのスタンスは変わりませんが、KOで決着をつけた選手は「KOする!」という固い意志をもってKOしているのは間違いないので、どんな形であっても素直に「お見事!」と称賛すべきだと感じました。
今回のタイトルマッチ全体を通じて思ったのは、
「いや~、ボクシングって本当に面白いもんですねぇ」(M野H郎さん風)
でした(笑)。