マラソン2時間切りへの挑戦。「可能性」と同時に「難しさ」を感じる
先日ナイキが企画した「Breaking 2」というマラソン2時間切りの挑戦。
記録は2:00:25と2時間切りはならなかったのですが、いろんな意見があったようです。
「人類初の2時間切りは近いんじゃないか?」とか
「公式記録にはならないの?」とか
「なんじゃい、それ」とか(笑)。
個人的には、「マラソンのレースではまだまだ難しそうだな」と思いました。
ちょっとした感想3つ
この企画を事後に知ったのですが、ちょっと思ったことが3つあります。
ナイスな企画!
イメージとしては「フルマラソンの距離でタイムトライアル」という感じかと。
サイクルロードレースのタイムトライアルやアワーレコードを見ていて「マラソンのタイムトライアルもあったら面白そうだなぁ」と思っていたので、「ナイス!」です(笑)。
しかも「2時間切り」という明確な目標があったし、公式記録を度外視しての「人間の限界への挑戦」みたいなコンセプトも好きです。
今までにありそうでなかった企画なので、こういうのもいいなと思いました。
場所のチョイスがいい
「Breaking 2」が行われた場所は、イタリアのモンツァ・サーキットでした。
F-1が好きな人なら、「おお!」と思うことでしょう。
カーレースのサーキットコースを使用するっていう発想がいいなと思いました。
しかも、モンツァは長~いストレートのある高速コース。
カーレースに限らず、「レース」と名のつくスピード勝負なら打ってつけのコースじゃんかと(笑)。
デニス・キメットにも参加してほしかったが…無理(苦笑)
「こんな挑戦企画があるなら、現世界記録保持者のデニス・キメットも出ればいいのに」
と一瞬だけ思ったのですが、すぐに無理だと悟りました。
ナイキの企画に、アディダス契約選手が出るわけがない(苦笑)。
万が一出たとして、ナイキ契約選手が記録達成できず、アディダス契約選手が達成しちゃったら、それはもう……(汗)
ケニア、エチオピア勢のトップランナーは、契約先がアディダスとナイキにほぼ二分されているので、ナイキの企画ならナイキ契約選手しか出ないでしょう。仕方のないことですが。
なので、アディダスからも同じような企画があると面白そうです。
純粋な「レース」での2時間切りはまだ難しそう…
今回の結果を受けて「近い将来、2時間切りも夢ではないんじゃないか?」というコメントもあったようです。
個人的には「不可能」とは言いたくないですが、純粋なマラソンで実現するにはまだ時間がかかりそうだなと思いました。
今回の企画は、
・挑戦者3名(しかもマラソン金メダリストやハーフマラソンの世界記録保持者といった猛者中の猛者)
・コース幅が常に一定のサーキット場の周回コース(そういえばベルリンマラソンも周回コースか)
・給水は走りながら個別に手渡し(机に置いてあるものを各々取るのではなく)
・ペースランナーは交代制でずっと走る(「30kmまで」のような約束事は無し)
・コースのアスファルトはグリップが強いカーレース仕様(公道のアスファルトより踏み込みが効くし、スリップしにくい)
というものだったので、マラソンのレースよりも好タイムが出やすい条件でした。
実際その通りにマラソンの世界記録は大幅に上回ったのですが、逆に言うと、まだこれだけの好条件が揃わないと2時間切りは難しいんだなと。
おそらく、同じような企画なら近い将来2時間切りは実現されるでしょう。
でも、いわゆる「○○マラソン」やオリンピックのようなレースで実現するには、もっと地力のすごいランナーが出現しないと難しいんじゃないかなと。
挑戦したランナーは十分にとんでもない速さなのですが、もう0.5バージョンぐらいアップしたランナーが出てきたらひょっとするかも、と思います。
こういう挑戦は興味深いのでまたやってほしい
とはいえ、あと数回同じような企画をやれば2時間切り達成者は出てきそうだな、と思いました。その日の天候や体調次第でタイムは30秒~1分ぐらい前後すると思うので、同じ企画なら行けそうです。
こういうタイムトライアルのような形式も好きなので(自分が走るのも)、また見てみたいです。
モハメド・ファラー、挑戦しないかなぁ?
ナイキだし(笑)。