サッカーにおける「弱者の戦略」は「とにかく動く」しかないと思う
「弱者の戦略」という言葉があります。
個人的に好きな言葉なので今回使っているのですが(笑)、サッカーにおける「弱者の戦略」は「運動量では勝つこと」だと思っています。
「ボールは汗をかかない」が、ボールは勝手にこっちに来てもくれない
故ヨハン・クライフの名言に「ホールを回せ!ボールは汗をかかない!」という言葉があります。
本当にその通りで、これをベースにしたサッカーをクライフはオランダ代表(選手時代)やアヤックス、バルサ(監督時代)で展開していました。
今のバルサやグアルディオラ監督指揮下のチームでもそうでしょう。
でも、これって「ボールを持っている側」の言葉です。
「ボールを持っているんだから、俺たちが汗かいて動かないでボールを動かせばいいじゃん」っていう。
じゃあ、「ボールを相手に持たれている側」はどうするかというと、動いて守る、とにかく動いてボールを奪いに行くしかないんじゃないか?と思うのです。
ボールは汗をかきませんが、同時に、勝手に来てもくれません。
ボールを自チームのものにするなら、動いて相手から奪うしかありません。
「相手のミスを待つ」というのもテですが、自ら動いて相手のミスを誘わないと、相手も勝手にミスしてくれないでしょう。
マンC、アトレティコもバルサ、バイエルンよりもたくさん動いたから勝てた(はず!)
夕べ、マンCがバルサに勝ちました(3-1)。
前節のアウェイゲームで0-4だったので、一応「リベンジ」をした形になります。
(トーナメントだったらトータルスコアで負けですが)
ゴールシーンやシュート数、パス成功数等よりも、私は両チームの走行距離に注目しました。
マンCがバルサに0-4で負けた試合は、
「マンC 103.3km - バルサ 101.5km」
でした。ちょっとしか差がない。
1.8kmなので、フィールドプレーヤー10人で割っても1人当たり180mほどです。
ピッチの端から端までだと、1往復弱ぐらい。
一方、夕べのバルサに勝った試合は、
「マンC 111.6km - バルサ 106.0km」
でした。5.6kmの差。
同じように10人で割れば、1人当たり560mです。ピッチの端から端までだと、2往復ちょいぐらい。
ボール支配率の違いもありますが(負け試合はマンC46%‐バルサ54%、勝ち試合はマンC40%-バルサ60%)、やっぱりよく動いている方が好結果を引き寄せやすいんじゃないかと思うのです。
9月のアトレティコvsバイエルン戦(結果はアトレティコが1-0で勝利)でも、走行距離は
「アトレティコ 116.5km - バイエルン 108.0km」
でした。ボール支配率で「アトレティコ37%‐バイエルン63%」と圧倒的不利だったものの、「チーム全体でよく動いて守り、ボールを奪ったら一気に速攻」という戦術が上手くハマっていて、シュート数では「アトレティコ16本-バイエルン13本」と上回っていました。
(※上記数字のソースはUEFA公式サイト)
相手より圧倒的に多く動いたからこその結果だと思っているし、(全てではないけれど)多くのアップセット(番狂わせ)の試合で「格下チームが格上チームよりも圧倒的によく動いている」という印象を持っています。
根性論はそんなに好きじゃないけど…(苦笑)
結局、技術や体格面で不利なら運動量でカバーするしかない、ということじゃないかと思っています。
根性論はそんなに好きじゃないけれど(苦笑)、やっぱり根性も大事。
相手にボールをコントロールされていても猛攻を受けていても、チーム一丸となって耐えしのいで、ボールを奪ったら一気に反撃というのがサッカーにおける「弱者の戦略」なんじゃないかなぁと。すごく疲れるけれど(苦笑)。
ということで、スキルの習得や仕事面にも通じることがサッカーでもやっぱ大事だよなぁと、夕べのマンC-バルサの結果を受けて思いました。