W杯本大会出場枠48への増加には「No!」
FIFA会長のジャンニ・インファンティノさんが、サッカーW杯(正式名称「FIFA World Cup」)の出場国数を現行の32から48に増やしたいという意向を語ったそうです。
W杯出場枠が「48か国」に拡大? FIFAのインファンティーノ会長が仰天プランを明かす
半年ほど前にもインファンティノさんは同じようなことを発言していて、そのこともネタに書きましたけど(笑)、私は出場枠の増加には反対です。
「No!」な3つの理由
1.出場することの価値が下がる
出場枠が増えるということは、各地域からの出場枠が増えることを意味します。
仮に32から48になるとすると、単純に1.5倍の増加。アジアなら、現行の4.5枠から6~7枠になるということです。
世界全体の予選参加国(・地域)が200弱なので、ざっくり4分の1が「本大会出場」ということになります。
毎回緊張感の高いW杯予選が世界各地で繰り広げられているのが、かなりゆる~くなります。
ゆるくなることによって、「〇大会連続出場」という言葉も軽くなるんじゃないかと。
出場する国に対しても
「今までのように枠が32か国だったら、どうだっただろうね?」
という疑念というか、そういうのを思う人もいるんじゃないかと。
2.「16」の選考と「32」の組み合わせが疑問
インファンティノさんのプランによると、本大会出場国の48を
「ベストチーム」の16と、「それ以外」の32に分ける
→ まず「それ以外」の32でワンマッチを行う
→ 勝利した16と「ベストチーム」の16の計32でグループリーグを始める
という流れにしたいそうです。
ここで2つの疑問があります。
まず、「ベストチーム」の16をどうやって決めるのでしょう?
ある時点でのFIFAランキングがベースになるのかなぁと推測していますが、個人的にFIFAランキングは実態を十分に反映しているとは思わないので、「どうなんだろうなぁ?」と思います。その時にたまたま「16」に入らなかった強豪国が「その他」に分類される可能性もあるわけで、いざやるとなったらその辺の議論も出てきそうです。
それと、「その他」32によるワンマッチの組み合わせ。
単純に「えいやっ!」と抽選で決めるのがフェアなのでしょうけど、それなりの確率で「ええっ!?ココとソコでやるのぉ!?」っていうキビシイ組み合わせが発生しそうです。2016年9月現在のFIFAランキングで見れば、日本代表は(本大会に出たとして)このワンマッチでいきなりオランダやパラグアイ、アフリカ各国とぶつかる可能性だってあるわけです。
強豪国でないならば、「1試合でW杯即終了」も覚悟しなければならなくなります。
別にそれでもいいのかもしれませんが、「だったら初めからベストチーム扱いの16か国でW杯をやっちゃってもいいじゃん」と思います(苦笑)。
3.「消化試合」が増えそう
出場枠が増えることで、格差も拡大されると思っています。
そのため、大差の圧勝/惨敗試合も増えると予想しています。
決勝トーナメントでは少ないでしょうけど、グループリーグでは。
W杯で期待している(求めている)のは人それぞれで、人によっては「圧勝の試合」や「ゴールラッシュ」を望んでいる人も多いでしょう。
でも、私は個人的には「実力が拮抗したヒリヒリするような試合」や「ワンプレー、ワンミスが試合を左右するような緊迫した試合」のほうが好きです。
得点の数は関係ないです。1-0でも0-0でも見応えを感じる試合はあるし、反対に5-0や6-0の試合は途中で「いいや。後で結果だけ見よう」となります。
「本大会」なのだから、密度の濃い試合が多いといいなぁと思うのですが……
32でも多いけど、32でいい
上記を踏まえ、単純に興行面をかなり重視したプランだなぁと思っています(笑)。
出場国数と試合数の増加は経済効果を期待して多くの国に開催国へ名乗りを挙げてほしいための「エサ」でしょうし、FIFAとしても収益や開催国誘致でオイシイことがあるんじゃないの?と勘繰ってしまいます(笑)。
個人的には、出場枠は現行の32でも多くて、94年大会以前の24でもいいんじゃないかと思っています。アジア枠は2か3になるのでしょうけど、その枠を勝ち取ることでこそ「本大会出場」の価値も高まると思います。実際、24だった時代に日本はW杯に出場していないわけで。
あ。でも24だと今年のEUROのポルトガルのように「グループリーグ0勝でも優勝」というケースが起こりうるので、ちょっとなぁ……
やっぱり32でいい!(笑)
ただ、流れは「拡大」の方向のようなので、自分のW杯の見方はグループリーグまではかなり絞ることにして、決勝トーナメントからが「本番」になりそうです。
今とそんなに変わらないか(苦笑)。