ベケレ惜しい…「10000m→マラソン」の猛者出現はつづく
マラソン世界記録が更新されやすいレースとして有名なベルリンマラソン。
今年は世界記録まで「あと6秒」という惜しい優勝タイムだったのですが(2:03:03)、優勝したのがケネニサ・ベケレだと知ってびっくりでした。
10000mからマラソンに転向していたのは知っていましたが……
ファラーの前の10000mトップランナー
ケネニサ・ベケレは、2009年ぐらいまでは5000mと10000mでバリバリのトップランナーでした。
エチオピアでは、「皇帝」ハイレ・ゲブレセラシエの次の世代で、アテネ五輪では10000m金メダル、5000m銀メダルで、北京五輪では両方とも金メダルでした。
今のモハメド・ファラーのような勝負強さを持ったランナーでした。
ファラーのように、ラスト数百メートルのスパートが恐ろしく速いうえに、終始表情を変えずポーカーフェイスで走っていた印象が強いです。
2年ぐらい前にマラソンに転向したようで、リオ五輪には出られなかったものの、時々レース結果を見るとかなりの好タイムで上位に入っていたので気になってはいたのですが、初ベルリンでこんなすごいタイムを出すとは…(汗)
「10000m→マラソン」は主流になるかも
ゲブレセラシエもそうでしたけど、トラックレースの10000mからマラソンに転向するランナーが近年多いです。世界歴代記録の上位ランナーにも、トラックレース出身のランナーがけっこういるのではないかと。
その影響なのか、近年のマラソン国際大会は、ペースランナーがお役御免になってからのペースがすごく速いです(汗)。
昔のようにレース中盤までペースを上げ下げしてふるいにかける感じではなく、ペースランナーがいなくなると同時に集団内でアタックが始まって、ついていけないランナーが順次脱落していく感じ。
10000mのハイペースに慣れたランナーは、速いペースにしっかりついて行くので(しかも比較的余裕で…)、今のような高速レースにはうってつけなのかなぁと思っています。もちろん42kmしっかり走れる脚作りは必要でしょうけど。
先日のリオ五輪で、米国のゲーレン・ラップが10000m走とマラソンの両方に出て、マラソンで銅メダルを獲る快挙をやってのけましたが(10000m走でも5位!)、これも10000mに比べればマラソンのペースが遅く感じられるから、「脚がもつかどうか」だけの勝負だったんだろうなぁと思って見ていました。
同時に、これからも「10000m→マラソン」というのは主流になるんじゃないかなぁ、と。
「マラソン→10000m」は難しそう…
逆のケースもちょっと考えたけれど、こっちは難しそうです。
「マラソン→10000m」となると、スピード強化が必須で、これをキャリア後半にやるのはしんどいのではないかと。
400m走の選手が100m走に転向するのと、100m走の選手が400m走に転向する場合との違いに近いのでは?やっぱり「400→100」の方が「100→400」よりも大変そうです。
「スピード勝負は若い時に、スタミナ勝負は歳をとってから」というのが王道なんだろうなぁと、自分も歳をとったことで実感しています(笑)。
次に出てくるのはあの選手?
リオ五輪でゲーレン・ラップが10000mとマラソンの両方で好成績を出して、素直に「スゲー!」と思いましたが、同時に
「モハメド・ファラーも将来マラソンに転向するんじゃないか?」
とも思いました。
ラップとファラーはナイキの練習仲間。ラップがマラソンでイケたことを受けて、ファラーもマラソンをやってみる気になるんじゃないかと。
ラップと同じようなトレーニングをすることで、マラソンにも対応可能だということは実証されたし。
ちょっと期待しています(笑)。
ファラーは10000m走でも、8000mぐらいまでキロ2:40~2:50のペースで余裕をもって走っているので、マラソンでは「脚さえもてば」という感じかなぁと(それが大変なのでしょうけど…(^^;))
でも本格転向したら、すごいタイムを出すんじゃないかとも思います。
ベケレももっと行けそうなので、来年以降の世界記録更新に期待したいです。
東京マラソンで走ってほしいなぁ。
見たい(笑)。