ティム・ダンカン引退。引退の仕方もダンカンらしい
ティム・ダンカンの引退がサンアントニオ・スパーズ(以下、SAS)から正式に発表されたそうです。
先日書きましたが、「歴代ベストチーム」を作るとしたら必ず入れる選手です。
http://www.daimrkm.com/2016/06/22/nbaalltimebestteam/
それだけに残念だけど、年齢やコンディション、今のNBAの戦力図を見ると、スパーズでの6度目の優勝はもう厳しいという判断だったのでしょう。
史上最高の「地味なプレーヤー」だったかもしれない
ダンカンと言えば
「ダンカン、バカヤロー!コノヤロー!」
じゃなくて(笑)、地味な選手として有名かも。
感情をほとんど表に出さないし、難しいプレーも簡単そうに淡々とこなします。
ブロックショットや勝負を決めるシュートを決めてもドヤ顔しないし(笑)
コート上だけでなく、コート外のファッションでも、それほどオシャレではなかった印象があります(笑)。
とにかく華やかな選手ではなかったけど、実力は申し分なかったです。
5度の優勝、2度のレギュラーシーズンMVP、NBAファーストチーム10回、オールディフェンシブ・ファーストチーム8回(セカンドチーム7回)等々、振り返るとすごいです。
個人的には、バンクショット(バックボードを使ったシュート)が抜群に上手い選手だった印象が強いです(ピッペンも上手かった)。
ただ、ダンカンを最初に知って「これはすごい選手かも!」と思ったのは、NBA入りする前の1996年(20年前!)でした。
当時のアトランタ五輪代表とUSA選抜チームとの壮行試合(みたいなやつ)で、当時学生だったダンカンは選抜チームのセンターでした。97年五輪代表のセンターと言えば、シャックとロビンソンとオラジュワン。トップ中のトップでした。
で、その時にダンカンが、そんなNBAトップクラスのセンターを相手に全然萎縮せず互角以上のプレーをしていて、「こりゃすごい!」と驚いたものでした。NBA入りする前だったけれど、将来NBAの大物選手になりそうだなと思っていました。
ちなみに、ダンカンはこの時すでに地味でした(笑)。
20年前に見た貴重映像をYouTubeで見つけたので貼っておきます。
SASに入団してからのNBAでの活躍は、説明不要でしょう。攻守のバランスや安定感、サイズを考えれば、「史上最高のPF」と言ってもいいと思います。
キャリアを通してずっと一つのチームでプレーしつづけたことも、これからのNBAでは希少になるんじゃないかと。
コービーとは対照的な引退の仕方。でもそれがダンカンらしい
今季はコービー・ブライアントも引退しましたけど、引退の発表や引退の仕方が対照的だったのもまた「ダンカンらしいなぁ」と思いました。
コービーは、開幕時に今季限りでの引退を明言して、レギュラーシーズン後半は「引退ツアー」のような感じでアウェイの各地でスタンディングオベーションを受けていたし、ステープルズ・センターでの最終戦では観客だけでなく選手からも後押しされて60点も獲ってしまったし(笑)。コービーだから、そんなことが許されたのでしょう。
一方のダンカンは、シーズン中には発表せずプレイオフで敗退する最後までいつものようにプレーして、シーズン終了後に発表。しかも、記者会見や本人からではなく、チームを通しての発表っていう。
プレーもファッションも、そして引退発表までも地味なのはダンカンらしいといえばダンカンらしいけど、あれだけの実績を残した名選手なので、引退発表の時ぐらいは目立っても良かったかもなぁ、と思ったり。
SASの背番号「21」の永久欠番とバスケットボール殿堂入りは確実でしょう。間違いない。
SASは、ダンカンに代わるビッグマンとしてパウ・ガソルを獲得したようなので、ダンカン引退はそれほど大きな穴にならなさそうけど、やっぱり来季のSASの試合を見たら「あぁ、ダンカンいないなぁ…」って感じるだろうなと思います。