「英国4協会、統一しなくてもいいじゃんか」と、EUROでの直接対決を見て思う
英国4協会について、以前は「もし統一されていたらなぁ……」と思っていました。
しかし、今回のEUROでイングランドvsウェールズ、ウェールズvs北アイルランドを見て、「やっぱり英国4協会はバラバラなのがいいのかもしれないなぁ」と感じました。
多くの選手を見る機会がある
英国4協会が統一されて「Team GB(英国代表)」となれば、すごいチームが出来上がるというのを以前書きました。これは、統一された場合の最大の長所だと思うし、「もし実現されていたら…」とは未だに思うところでもあります。
でも他方で、英国が一つのチームになっていたら、国際大会で脚光を浴びることのない選手もいただろうなと思います。
W杯史上最年少記録を持つノーマン・ホワイトサイド(北アイルランド)は間違いなくそうだったでしょうし、元スコットランド代表選手で現スコットランド代表監督でもあるゴードン・ストラカンも、80年代に「英国代表」に入れたかどうかは分かりません(少なくともスタメンではなかったでしょう)。
GKは一番大変で、80年代ならピーター・シルトン、パット・ジェニングス、ジム・レイトン、ネヴィル・サウスオールから1人だけなんて、超もったいないです!
なので、「それだけ多くの優れた選手が見られるじゃん!」と思えば、それはそれでアリだよなぁと思うのです。
ライアン・ギグスをW杯やEUROのような大舞台で見たかったというのは、もちろんありますけど…(^^)
各代表選手が自国(自協会)に誇りを持っている
EURO本大会で、ギャレス・ベイルを初めとするウェールズの選手は「ウェールズ代表」であることに誇りを持っているし、北アイルランドの選手も同じように「北アイルランド代表」であることに誇りを持っているんだ、というのを強く感じたのが大きいです。
英国国歌は「God Save The Queen」ですが、サッカーではイングランド代表が使っていて、他の3協会にはそれぞれの国歌があります。
で、試合前の国歌斉唱を見ていると、ウェールズも北アイルランドも選手もサポーターも、誇らしげに自国の国歌を歌っているように見えて、いいなぁと思うのです。
ベイルはウェールズ代表であることに誇りを持っていると公言しているし、チームの一体感を見ていると、他の選手も同様でしょう。でも、だからといって他のイングランドや北アイルランド、スコットランドに対してギスギスしたり敵意をむき出しするわけでもなく、試合が終われば健闘をたたえ合うし、それこそ「ノーサイド」で終わるっていう。そんなところが試合内容と同じくらい良いなぁと感じました。
若い頃は試合内容や戦術、技術的なことばかりにフォーカスしていたけれど、歳をとったせいか、最近は「試合前後の人間模様」にも心を動かされています(笑)。
4協会それぞれが欧州、そして世界のトップを目指せばいい
そんなことを思うと、「欧州や世界のトップを獲るために統一すればいい」っていう考えは、器がちっちゃくないか?とまで思うようになりました(苦笑)。
4協会それぞれが欧州、そして世界のトップを目指せばいいじゃないか、と。
それこそが、各国の選手もサポーターも望んでいることなんだろうなぁと。
EUROやW杯では英国4協会同士の直接対決が多くなるけれど(ラグビーでもそうだけど)、見る側としては純粋にライバル同士の対戦を楽しむのがいいなぁなんて思いました。
「今のイングランドにベイルがいたら面白いだろうなぁ…」
と思うことも勿論ありますけどね(笑)。